フロイドさん死亡事件、公民権侵害で元警官3人に有罪評決 米

米ミネアポリス市警の元警官、J・アレクサンダー・キュエン被告、トーマス・レイン被告、トゥ・タオ被告(Photo by Hennepin County Sheriff's Office/AP Photo)

2020年5月に元警官のデレク・ショーヴィン被告に殺されたジョージ・フロイドさんの公民権を侵害したとして、米連邦裁判の陪審はミネアポリス市警察の元警官3人に有罪の評決を言い渡した。AP通信が伝えている。

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ショーヴィン被告が9分以上もフロイドさんの背中を膝で押さえつけていた間、トゥ・タオ被告、J・アレクサンダー・キュエン被告、トーマス・レイン被告の3人はフロイドさんに治療の機会を与えなかったとして、いずれも有罪を言い渡された。タオ被告とキュエン被告はショーヴィン被告に干渉しなかった罪でも有罪とされた。レイン被告は2度フロイドさんの体勢を変えようとしたができなかった、と証言し、この罪を免れた。

公民権侵害が原因で死者が出た場合、終身刑または死刑に処される可能性もあるが、こうした処罰が下されるのは稀で、3人の元警官が極刑を言い渡されることはないだろう。その間3人は保釈金の支払いを条件に、量刑審問まで自由の身となる。

検察側は裁判で、3人の元警官が訓練内容に違反したと主張した。フロイドさんが呼吸困難に陥り、助けを求めていることは通行人の目にも明らかだったが、3人はフロイドさんの身体を動かすことも、心肺蘇生を施すこともしなかった。ショーヴィン被告がフロイドさんの背中に跪いていた間、タオ被告は見物人を遠ざけようとし、キュエン被告はフロイドさんの上半身を、レイン被告は足を押さえつけていた。

一方で被告弁護団は、3人が受けた訓練はこうした状況には不適切で、結局は上官だったショーヴィン被告に従ったまでだ、と主張した。タオ被告、キュエン被告、レイン被告はいずれも裁判で証言台に立ち、明らかに責任の多くをショーヴィン被告になすりつけた。例えばタオ被告は、フロイドさんを助けようと提案したがショーヴィン被告に「はぐらかされた」と証言。キュエン被告も、ショーヴェン被告は「私の上司に当たるので、彼の助言を信頼していました」と述べた。

去る4月にフロイドさん殺害で有罪判決を受けたショーヴィン被告も、当初は今回の連邦裁判で起訴されていたが、司法取引の一環で有罪を認めた。連邦裁判での有罪判決に加え、タオ被告、キュエン被告、レイン被告は別の州裁判で、フロイドさん殺害教唆に問われる。

from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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