アーロ・パークス、グラミー賞ノミネートの実力派新人が語る「セルフラブ」

広大なポップカルチャーとの関係性

インターネットの影響もあり、メンタルヘルスについてオープンに語ることはZ世代の特徴でもあるが、しばしば前世代よりも感情面で研ぎ澄まされていると見られがちだ。そんな中でもパークスは感情の扱い方が上手い――決して大げさすぎず、必要に応じて表に出しているという感じだ。人前でパフォーマンスするようになってまだ数年というのに、経験を積んだミュージシャンのような風情を漂わせ、すでに幅広い年代から支持されている。

「年配の人たちは私よりもずっと長生きしてきたから、印象づけるのが余計に難しい気がする」と本人。「だから、私のコンサートに年配のご夫婦が来ているのを見るとものすごく嬉しくなる。OK、特別なことをしなくっちゃ、という風になるの」

パークスの楽曲はしばしば遊び心たっぷりに、青春まっさかりの一コマを切りとる文化的レファランスを盛り込む――すると、この世界のアーカイブが目の前に姿を現し始めるのだ。「Black Dog」はこんな対句から始まる。“あなたの唇から悲しみを拭いさってあげる/あなたの瞳は(ザ・キュアーの)ロバート・スミスみたい”。また「Hurt」では、チャーリーという人物が“『ツイン・ピークス』を見ながらマットレスに沈んでいく”。



そうした広大なポップカルチャーの世界との関係性は、彼女の名義にも表れている。「両義的なネーミングにしたかった」と彼女は説明する。「当時はOdd Futureをたくさん聴いてたかな――アール・スウェットシャツとかフランク・オーシャンとか――それで、私の名前もそれに近い感じにしたかったの」

一昨年の夏のある日、公園でこのネーミングが頭に浮かんだ。試験が終わったばかりで、ほっと一息ついていたところだった。「私がいっぱいいっぱいなのを見て、友人が私に向かってこう言ったの、『リラックスしなさいよ、公園にいるんだから安心しなさい』って」。

From Rolling Stone US.




アーロ・パークス
『Collapsed in Sunbeams』
発売中


<番組情報> 

「生中継!第64回グラミー賞授賞式」
※二カ国語版(同時通訳)
2022年4月4日(月)午前8:00
放送・配信[WOWOWプライム][WOWOWオンデマンド]
※放送終了後~4月12日(火)午後4:00までアーカイブ配信あり
出演者:ジョン・カビラ、ホラン千秋
ゲスト出演:iri、James Smith(Live Nation Japan Vice President)、小熊俊哉(Rolling Stone Japan 編集部)
レッドカーペットレポーター:鈴木美穂(音楽ジャーナリスト)

「レッドカーペット生配信」
2022年4月4日(月)午前6:00配信
[WOWOWオンデマンド]

「第64回グラミー賞授賞式」
※字幕版
4月4日(月)午後10:00放送・配信
[WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
※放送終了後~4月12日(火)午後4:00までアーカイブ配信あり

グラミー賞 特設サイト:https://www.wowow.co.jp/music/grammy/

Translated by Akiko Kato

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