謎ソースを製品化した米インフルエンサーにクレーム騒動「腐った臭いがする」

「chef.pii」の反論

最初のうちは「chef.pii」もある程度反論し、動画の中でも「ごめんなさい、私も人間だから完璧じゃない」とか「ものすごく短期間でスタートした小さなビジネスだから」などと語った。ラベルに関しては「グラムと1瓶当たりの使用量を混同して」表記してしまったとし、1瓶あたりの内容量は444グラムで、今後の出荷分から正しい表示をつけると述べた。またチームは「FDAの基準に従っている」ものの、現在は「研究室で検査をしている」段階で、検査が終わればピンクソースの店頭販売にのりだすとも付け加えた。FDAからはコメント依頼の返答を得られなかったが、FDAのWEBサイトによれば、調味料メーカーには食品加工業者としての登録と栄養表示ラベルのガイドラインの遵守が義務付けられている。

「chef.pii」は情報サイトDaily Dotとのインタビューでより具体的な疑惑について言及し、不適切な出荷方法については、配送中に包装が「割れて」しまったため他の運送業者に変えるつもりだ、と述べた。またピンクソースにはクエン酸や酢など天然由来の保存料が十分含まれているので、大陸をまたがる輸送にも十分耐えられるはずだと述べた。また生乳ではなく、脱脂粉乳が2%含まれているとも述べた。「調子がいい時なら誰もヘマはやらないでしょ、でも、そうなのよ。チームは大至急問題解決に当たっているわ」と本人。「施設への納品やらで遅延が生じたり、発送のトラブルがあったりしたけれど、速やかに問題解決に当たっています」

確かに、ピンクソースにまつわる批判はある意味で特殊だ。コメントを寄せた大勢のクリエイターは気を使い、とりわけ有色人種の女性が起業したり零細ビジネスを興したりすることの難しさを認めたうえで、その過程で起きたミスを指摘している。だが実際はもっと単純な話だろう。零細企業のオーナーが、TikTokの高速アルゴリズムやおかしな食のトレンドを受け入れることに慣れたオーディエンスに後押しされ、あっという間に話題になり、時の人となった代償を支払っているだけのことだ。

【関連記事】人喰いモンスター「ハギーワギー」に保護者は騒然、米英で通報相次ぐ

from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE