キム・ヒョンジュン、2年7カ月ぶりの日本公演で伝えた喜びと深い愛情

バックバンドによる壮大なインストセクション「NEW WAY」を挟み、衣装チェンジをしたヒョンジュンがステージに再登場。日本のファンと会いたくても会えなかった寂しさを思い返すように、溢れんばかりの切なさで「사계(四季)」を歌い上げた。「四季を2回も迎えてやっと皆さんと会うことができた」と語る彼は、「今この瞬間もこれからもずっと、皆さんと大切なストーリーを書き続けて積み重ねていきたい」と告げ、ロックバラード「Your Story」を披露。真摯な思いをこめたボーカルに、観客もじっくりと聴き入り身をゆだねる。シンガロングは出来ない状況下でありながらも、ステージと客席が通じ合っていることを肌で感じられる時間だった。

「この曲は僕たちの夢のために歌う曲」と言い、ギタリスト2名とアコースティックセットで歌唱したのは、映画『バイオレンスアクション』の挿入歌に起用されている新曲「Song for a dreamer」。繊細なタッチのエレアコの音色に、ヒョンジュンの美しいファルセットがよく映える。より豊かな未来を祈るような、非常に清らかな時間が流れた。


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その後ヒョンジュンはMCで、敬愛する押尾コータローが会場に来ていることに触れる。押尾のメジャーデビュー20周年を飾るニューアルバムに収録されるコラボレーション楽曲「誰そ彼 ~黄昏~」に参加できた喜びを語った後、押尾コータローの「風の詩」を経て「風車<re:wind>」に行きついたことを告げ、エレアコでサプライズ演奏(※註:押尾コータローの「黄昏」)を行った後に同曲を歌唱する。凛とした歌声からは、彼が押尾をはじめ様々な音楽と出会ってきた歴史と感謝が溢れていた。

ライブはラストスパートへ。「Take my hand」を観客に呼び掛けるように歌い、SS501の楽曲「Love Like This」やロックナンバー「THIS IS LOVE」ではさらに観客に訴えかけるがごとく強いまなざしで情熱的な歌声を響かせる。観客が声は出せない状況であっても、会場の結束は強固になっていった。ポップで疾走感のあるギターロック「Beyond Crazy」ではステージを端から端まで行き来し、観客一人ひとりと目を合わせるように歌うと、楽曲の終盤に客席へ飛び出して1階の中央ブロックをぐるりと1周。全身でポジティブな思いを伝えていた。

Rolling Stone Japan 編集部

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