『NOPE/ ノープ』のインスピレーション源となった「Exuma」の伝説

Exumaの音楽、西部時代の黒人、ヘイウッド家のレガシー

この曲は映画の重要な場面で登場する。「脚本の初期の段階から、『The Obeah Man』は最終カットとまったく同じ場面に盛り込まれていた」とピール監督。「父親のオフィスにいるエメラルドが、人生で失った人、死に際にきちんと別れを告げられなかった人に思いをはせるシーンでこの曲が出てくる。歌詞で歌われている偉大な魔術師が、亡くなった父親を様々な形で体現しているんだ」


ピール監督いわく、この曲は一家にとってある種の「アンセム」だという。「この映画の奥底には、歴史上から消された人物、あるいはあまり評価されなかった人物とつながることがテーマになっている――Exumaや彼のレガシーと直接つながっているんだ」。物語の冒頭でエメラルドも説明しているように、一家の事業を起こしたのはバハマで騎手をしていた先祖のアラスデア・E・ヘイウッド。連続写真のパイオニア、エドワード・マイブリッジの初期の映像に映っている無名の黒人がベースになっている。「Exumaの音楽と西部時代の黒人、それにヘイウッド家のレガシーを直接結びつけようとした」とピール監督。

「あまり評価されなかったアーティストを人生の後半に発見すると、特別な感情が生まれるものだ。私もアウトサイダーだった彼の気持ちにピンとくるものを感じ、共感した」と監督は付け加えた。



【関連記事】ジョーダン・ピールが語る、リメイク版『ブレイド』の監督になりたくない理由

from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE