almost mondayが語るビーチとブリットポップへの共感、3人の人生に音楽が与えたもの

 
ブリットポップへの共感、曲作りのプロセス

―コールがバンドに加わった時には、どんな音楽を作りたいのか見えていたんですか?

ルーク:いいや。僕らは出発点から大きく成長を遂げたと思う。というのも、結成した当初はサーフロック系の曲をかなりプレイしていたけど、やがてそのスタイルが窮屈になって、様々な変化を経て、最近は自分たちのルーツみたいなところに還ってきた気がするんだ。そうやって常に何かを学んで成長できることが、アーティスト活動をしていて楽しい部分なんだよね。自分探しの旅を続けているというか。なぜって音楽には本来、それを鳴らしている人物が何らかの形で反映されているはずだからね。でなければ聴き手の共感を得られないし、大切なのはオーセンティシティなんだよ。

―確かに初期の曲と最近の曲を比較すると間違いなく進化していて、特に今年に入って発表した「sunburn」以降のシングルはブラーやスーパーグラス、もしくはアークティック・モンキーズなどなど英国のバンドの影響が色濃く表れているように感じます。

ドーソン:うんうん、まさしくそういうバンドは僕らにとって重要な影響源なんだよ。



―サンディエゴで2010年代に育ったあなたたちがブリットポップを聴いていたとは意外です。

ドーソン:僕らの両親がその手の音楽を聴いていたんだよね。その影響は大いにある。

コール:あの時代に生まれた音楽こそ、ベスト・ミュージックのひとつだと思うよ。それに僕らがコラボしているプロデューサーのサイモン・オスクロフトも、ブリットポップが大好きなんだ。色んなアーティストを教えてくれて、それで思い入れが深まったところもあるね。

ドーソン:サイモンは、秘密の4人目のメンバーみたいな存在なんだよ。オールモスト・マンデーの曲は全て彼と作っているし、コールが言う通り、僕らに与えた影響は計り知れないよ。


オールモスト・マンデーが影響を受けた楽曲をまとめたプレイリスト

―曲ごとにコラボレーターを変えるアーティストが多い中、一貫してサイモン(ワン・リパブリック、ポルトガル・ザ・マン)、そしてマーク・ニーダム(ザ・キラーズ、モービー)と組んできたことも興味深いですね。

ルーク:成り行きではあるんだけど、どんな人間関係にも言えることで、長い時間を一緒に過ごせば信頼が醸成され、独特のシナジーが生まれる。お互いに理解が深まるほどに物事はより円滑に進むし、自然に今のパートナーシップが構築されたんだよ。サイモンは今や音楽的コラボレーターというだけに留まらない友人になったと思う。

コール:うん。彼からたくさんのことを学んだよ。音楽にまつわることはもちろん、人生全般のアドバイスもしてくれる。僕らにとっては兄貴分みたいな感じだね。

―そんなサイモン&マークと共に、ほぼ全曲に3人がソングライターとしてクレジットされています。実際の曲作りはどんな風に行なっているんですか?

ドーソン:毎回少し違っていて、僕らが重視しているのは、色んなアイデアを受け入れられるように常に心をオープンな状態にしていることなんだよ。各人がインスパイアされるアーティストたちの音楽を参考にして、そこから色んな要素をピックアップし、自分たちらしい表現に変換しながら、いつもフレッシュな音を鳴らそうと心掛けている。だからたいてい全員が何らかの形で曲作りに関わっているんだけど、すごく不思議な作業で、どうやって生まれたのか自分たちにも分からなくて、気付いたら曲が完成していたというケースも多々あるよ(笑)。

―例えば最新シングルの「cough drops」も面白い曲で、“cough drops(のど飴)”という言葉がポップソングの歌詞に使われることはまずないと思うんですよね。

ドーソン:だよね(笑)。僕の場合、今ひとつ意味を成さない歌詞というか、どこからともなく降ってきたような歌詞に惹かれるんだ。「cough drops」のサビもそうだった。いつも曲を聴きながら、適当に言葉を並べてメロディを作っていくんだけど、「cough drops」の時もランダムな言葉を並べているうちに、たまたま“cough drops”と口にしていた。それがそのまま残ったんだよ。でもマジな話、完全には理解し切れない歌詞が好きで、聴き手の解釈に委ねることをポジティヴに捉えているんだ。細かく描写し過ぎると、想像力の入り込む余地がなくなるからね。


 
 
 
 

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