almost mondayが語るビーチとブリットポップへの共感、3人の人生に音楽が与えたもの

 
3人の人生に音楽が与えたもの

―ちなみに、フル・アルバムを作る予定はあるんですか?

ドーソン:アルバムについては特にまだ何も決めていない。いつか作りたいとは思っているけど、最近の音楽の聴き方を考えると、みんなどんどん新しい曲を求めているよね。プレイリストを流して、「この曲とこの曲は好きかも」みたいな軽いノリで音楽と接している。だからこそ、アルバムという大がかりなプロジェクトに期待してくれるような、自分たちのファンベースをしっかり築き上げておくことが重要だと思うんだ。今のところはそういう土台作りに専念していて、そのために出来るだけたくさんのシングルをリリースし、ツアーに力を入れているんだよ。とにかくファンに喜んでもらえることを、どんどん実践していきたい。ファンこそが僕らのエンジンであり、ファンがいないと走り続けることができないわけだから(笑)。


Photo by Cole Ferguson

―では、若手バンドが音楽業界をナビゲートする上で、一番の課題はどこにあると思いますか?

コール:今の時代特有の問題を挙げるなら、SNSに過剰にこだわったり、気にし過ぎることじゃないかな。そのせいで、いい音楽を作るという地道な作業がおろそかになってしまう。その点僕らは音楽作りに本当に時間をかけていて、たくさんの曲を書き、そこからじっくり絞り込んで、本当に納得できた曲だけを発表している。書いた曲の数で言えば、とっくにアルバムを何枚か作れていると思うよ。

―それにあなたたちの曲は、スタイルはもちろんのこと歌詞の題材も様々で、軽い内容の曲もあれば、“カッコ良さ”がいかに薄っぺらいことなのか指摘している『cool enough』を始め、聴き手を考えさせる曲も少なくないですよね。

ルーク:そうだね。特にバリエーションを意識しているわけではなくて、最終的にどんなことを歌うのか、曲が完成するまで自分たちには分からないことが往々にしてあるんだ。書いているうちに、曲が僕らを導いてくれるようなところがあるから、曲がどこに向かっているのかちゃんと見極めるっていうことも重要なんだよ。



―なるほどね。そういう音楽制作の作業からあなたたちはどんなことを得ているんでしょう?

コール:僕の場合はとにかく、スタジオで色んな作業をするのが楽しくてしょうがないんだ。最終的にはリリースされなくても、作るプロセスがものすごく楽しかったという曲もあって、みんなでひとつの可能性を探ることができたわけだから、充分に意味があったと思える。そもそも僕らが音楽を作り始めた理由もそこにあって、楽しいから続けているんだよね。

ルーク:僕にとっても音楽は自分の人生で最も揺るぎない、心の拠り所なんだ。それを作ることに関われるんだから、心から喜びを感じるよ。

ドーソン:うん、音楽は常に喜びを与えてくれた。例えばライブひとつとっても、初対面の人たちが大勢集まってセレブレーションの場を持つという、これ以上なくスペシャルな体験だよね。で、何をセレブレートしているのかと言えば、自分たちが生きているんだっていう事実そのものなんだと思う(笑)。だからどんな曲であれ音楽は喜びを与えてくれるし、それをほかの人たちに体験してもらう仲介役を果たせることがうれしくてたまらない。人生って時にして本当に辛いものだから(笑)、ライブに来てもらって、90分間の喜びとセレブレーションを提供できることにこそ、僕らが音楽活動を続ける意義がある。そういうゴールに向かって曲を書いているんだという意識をいつも抱いているよ。




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