真心ブラザーズが“愛と自由”を表現したツアー初日、EX THEATER ROPPONGI公演

洒落た黒のシャツとパンツのステージ衣装に身を包んだYO-KINGは、「なんか、俺だけ衣装張り切り過ぎで恥ずかしくない!? みんな結構カジュアルなのに」とメンバーを見渡して苦笑い。今後のツアーでは桜井かサンコンJr.のどちらかがお洒落をすべきと提案すると、「でも真心2人で張り切っててもどうかと思わない?」との桜井の言葉に「だからべつに張り切ってないんだって!!」とYO-KINGが弁明して、会場は大爆笑となった。

YO-KING曰く、ツアータイトルの「FRONTIER」は、「ニューアルバム『TODAY』のタイトルが決まる前に決めなくてはならなかったツアータイトル(笑)」とのことだが、「『TODAY』の曲をたくさんやります」とのことで、早速アルバムから「うたたね」が披露された。桜井が弾く印象的なリフ、淡々としたベースとドラム、さらにライティングも相まってサイケデリックなムードに包まれた。サビで聴かせるYO-KINGと桜井のハーモニーもあり、不思議なクセを感じさせる楽曲だ。そんな2人のハーモニーがよりたっぷりと聴けるのは、ニューアルバムからの「Boy」。長い真心の歴史の中でも意外なことにほぼ初めてのデュエットソングで、桜井が歌い出しYO-KINGのボーカルへと繋がってサビで声が重なる展開は結構新鮮で、サウンドもアルバムよりかなりハードに感じられた。いつの時代も、痛烈なメッセージ性を持った曲を様々な表現で世に送り出してきた真心だが、この日は柔らかくも心に刺さる新曲と、直球で胸にグサっと突き刺さるロックチューンを続けて披露。今の世の中にこれ以上ないメッセージを送った。曲が終わると、「濃いね! 今日も濃いね!」とYO-KING。


CRAZY BUFFALOES(Photo by 柴田恵理)

『TODAY』についてのMCでは、「このアルバム、“自由”とか“愛”とかがやたら出てくるよね? もう衒いが無くなっちゃってるからね」(YO-KING)「どんどん無くなってるよね!? だって愛してるんだもん! 自由大好きー!」(桜井)と叫んで、お客さんは拍手喝采だった。ストレートで痛快なロックンロールで楽しませると、「3、4!」のカウントで『KING OF ROCK』からあの曲が飛び出したのだが、これが素晴らしかった。疾走感と躍動感のある演奏と、YO-KINGの豪快で伸びやかなボーカルがガッチリとハマったテンションの高いパフォーマンスで、最高に興奮させられた。間違いなくこの日のハイライトシーンの1つだった。

Rolling Stone Japan 編集部

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