ヨギー、ミツメら実力派アーティスト白熱のライブ「Scramble Fes 2022」レポート

Yogee New Waves(Photo by 上石千聖)

様々なカルチャーの発信地である「渋谷」から、音楽を通じて日本のエンターテイメントを盛り上げることを目的に2015年にスタートした「Scramble Fes」が2022年11月5日、Spotify O-EASTにて3年振りに開催された。

多種多様な総勢9組のアーティストが2ステージで交互に出演した本フェス。トップバッターは、骨太なロックサウンドで奏でるポップな楽曲をヒップホップ由来のビート感に乗せて歌うスーパーロックユニット・illiomote。サブステージに登場した彼女たちは、のっけから最高にロックでエネルギッシュなパフォーマンスを披露し、本フェスのオープニングを華々しく飾った。ガレージな音色のバッキングギターで始まる「No kidding!」では、荒々しいギターサウンドに乗せて至極のポップなメロディをクールに歌い上げる。ギターとベースがユニゾンで鳴らすキャッチーなリフに出だしから心掴まれるファンキーなロックナンバー「In your徒然」では、20代が中心の若いオーディエンスたちが自然と音楽にノって体を動かす姿が印象的だった。ラストの楽曲「sundayyyy」を披露し、会場に強いインパクトを残してステージを去っていった。


illiomote Photo by 上石千聖

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続いてメインステージに登場したのは、ブラックミュージックをベースとしながらジャンルをシームレスに横断していく5人組オルタナティブファンクバンド・BREIMEN。縦横無尽に曲調が移り変わっていくファンクナンバー「ドキュメンタリ」では、それぞれのパートのソロ回しのような展開があったりと彼らの根幹にある自由にセッションをしていくスタイルが遺憾無く発揮されていた。 「BREIMEN始まるよ。おはようございます。」と高木(Vo.Ba)が挨拶をして、続く楽曲はとびきりポップなメロディーとダンサブルなビート感が気持ちいい「IWBYL」。オーディエンスは一瞬にして彼らが奏でる極上のグルーヴに心酔していく。童歌をモチーフにしたユニークな楽曲「あんたがたどこさ」では、曲中で池田(Key)が前に出て手を振りながらジャンプをする動きを全員にレクチャー。ギターのカッティングに導かれて、会場全体が一体感に包まれた。残り2曲に差し掛かったところで高木が「時間があと8分。2曲やるには時間がなくて1曲やるには長いな」と急遽打ち合わせ無しでセトリを変更し、ラストの楽曲「MUSICA」を短縮バージョンで演奏するように指示する。難なくアドリブで対応する5人の息の合ったプレイは、圧倒的な臨場感と迫力を放っていて、オーディエンスを大いに魅了していた。


BREIMEN Photo by 上石千聖

続いてサブステージでは、浮遊感のある歌声を持つシンガーソングライター・Haruy。ベースとドラムを率いた3人というシンプルな編成での演奏は、彼女の存在感の強さをより引き立たせるものだった。1曲目の「Snake」では、ゆったりとしたテンポ感の中で響き渡るHaruyの透き通った歌声が会場を包み込む。グルーヴィーなベースラインとタイトなドラミングが抜群の安定感で彼女の歌声を支えている。「Haruyです。よりしくお願いします。」と挨拶をし、続いての楽曲はSuchmosのベーシストHayata Kosugiが描き下ろしたHaruyのデビューシングル「Swimmer」。この曲では、繊細だが脱力感のあるフェイクが散りばめられていて、彼女のシンガーとしての表現力とセンスが溢れていた。


Haruy Photo by 上石千聖

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