INIアリーナライブツアー完遂、11人の「才能」が生み出したケミストリーを体感

INI(©LAPONE Entertainment)

4都市にわたって13公演行われた『2022 INI 1ST AREANA LIVE TOUR[BREAK THE CODE]』が、1月8日に武道館にて千秋楽を迎えた。2021年11月3日にデビューを飾り、『A』『I』『M』『Awakening』とリリースを重ねてきたINI。その先にある本公演は、“もう新人アーティストではないのだ”と、グループや個人の覚醒を大いに感じさせるものだった。

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セットリストは、楽曲のテンションを大切にしながらもリリース順に沿った構成。それにより、[BREAK THE CODE]の「コードを解読するためにINIが奔走する」というライブのコンセプトと「お互いの強みを活かして高めあい、慣例や規則を打ち壊す存在としてINIが覚醒した」という事実を両軸で描いてみせたのである。

デビューソングの「Rocketeer」で幕開けを飾り、ライブは華々しくスタート。一瞬たりとも油断を見せない彼らの表情は、それぞれがしっかりと曲に没入していることを感じさせる。レーザービームと呼吸しながら広がっていった“Now I’m going up”と歌う髙塚大夢の声は、そのまま世界中を染め上げてしまいそうなほど力強くブライトだ。一瞬の静寂を味方につけ「Cardio」「BOMBARDA」と投下すると、オープニングを全力で駆け抜けていった。


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このままハードな楽曲が続くのかと思われた矢先、導かれたのは『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』最終審査の課題曲。「RUNWAY(INI Ver.)」では一つひとつ丁寧に想いを届け、「ONE(INI Ver.)」ではめくるめくフォーメーションで個々の魅力を開花させる。ステージに11人以上の人が立っているような錯覚に陥ったのは、それぞれが仲間たちの面影を感じていたからなのだろう。オーディション時よりそれぞれが洗練されたと同時に、血の通った温かいステージングとなった。

INIがスクリーン越しのキミと友達になる方法を模索するVCRを経て、ライブはポップな楽曲を集めたセクションへと突入。「Do What You Like」でじゃれあいながら歌う姿や視線を交えながらラインダンスをしている様からは仲の良さが伝わってきて、思わずほっこりしてしまう。「KILLING PART」では許豊凡が“好きすぎて”で自分の体をギュッと抱きしめ、「AMAZE ME」では佐野雄大を筆頭にみんなでうさちゃんジャンプ。愛嬌たっぷりのスイートな一面を覗かせた。


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そして、“MINIのみんなのための曲”である「Brighter」へ繋がれる。ペンライトの青い光が煌めく観客席は、一面に埋め尽くされたサファイアが絶え間なく月光を反射しているよう。一つひとつの力強い輝きに呼応するように、11人の歌声もしっかりと重みを乗せて広がっていく。松田迅の視線は切ない色に揺らめき、楽曲の持つ神秘的なイメージを底上げしていた。前半を締めくくる「STRIDE」をパフォーマンスする頃には、すっかりメンバーもフルスロットル。それもあってか、各々の“強み”とされてきた以外のスキルもより一層際立つ。佐野の放つ自信満々なオーラ、尾崎匠海のこだわりを詰めこんだステップ、木村柾哉の曇りない生命力に溢れた歌声。自身の得意なことを突き詰めるだけに飽き足らず、さらなる才能を磨きあげるべく尽力してきたことを一挙一動が物語る。彼らの始まりをなぞるとともに、最高クラスの『A』を目指し努力してきた11人の軌跡を最初のセクションで描いてみせたのだった。


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