追悼トム・ヴァーレイン テレヴィジョンを率いたNYパンク先駆者の軌跡

その後のトム・ヴァーレイン

テレヴィジョンは1978年、2ndアルバム『Adventure』をリリースしたのち解散。その後、ヴァーレインはソロ活動に乗り出すことになった。パティ・スミスが記しているように、ヴァーレインは彼のアルバムで「無骨なリリシズムと鋭くて叙情的な傍白、ずる賢いウィット、それぞれの弦を揺らしてその真の感情を引き出す能力」を披露している。ヴァーレイン、ロイド、ベーシストのフレッド・スミス、ドラマーのビリー・フィッカの4人は、1992年に発表されたアルバム『Television』で再結成した。

※編注:1992年にテレヴィジョンは初来日公演を開催。2001年に再々結成し、2002年にフジロック出演。2007年のリチャード・ロイド脱退後は、ヴァーレインのソロに参加していたジミー・リップを後任ギタリストに迎えて活動継続。2013年、2014年、2016年にも来日公演を行った。




1979年、ヴァーレインはセルフタイトルのソロアルバム(邦題:醒めた炎)をリリース。同作の収録曲「Kingdom Come」は、デヴィッド・ボウイが翌年に発表した『Scary Monsters』にてカバーされている。ヴァーレインはポストパンクの探求を続けながら、インスト作品、サイレント映画のスコア、パティ・スミスやCBGBの住人たちとのコラボレーションまで手がけ、長きにわたりリリースを続けた。



ローリングストーン誌による1988年のインタビューで、U2のエッジはヴァーレインを大きな影響を受けた人物として挙げ、「僕がヴァーレインから影響を受けたのは、彼のスタイルというよりも、他の誰もやったことのないことをやったという事実に対してだと思う。僕はそこが好きだったし、実に価値のあることだと思ったんだ」と述べている。

From Rolling Stone US.

Translated by Rolling Stone Japan

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE