1983年の訪米中にエリザベス女王暗殺計画があったとFBIが公表 米

1983年、アメリカを訪問したエリザベス女王2世(TIM GRAHAM PHOTO LIBRARY/GETTY IMAGES)

1980年代、英国王室の訪米。エリザベス女王2世を狙った暗殺計画。1988年のコメディ映画『裸の銃を持つ男』のネタではない。1983年のエリザベス女王訪米の際に、まさにFBIが抱いていた懸念だ。

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FBIはこのほど、1980~90年代のエリザベス女王とフィリップ殿下の訪米にまつわる新たなファイルを一斉公開した。いずれのタイミングでも、デモや騒動、場合によっては暴力沙汰に発展するのではとの懸念があった。北アイルランドで長らく続いていた対立「ザ・トラブル」が絡むとなれば、なおのことだ――宗教、政党、反植民地運動が複雑に根を張った対立をざっくり手短に言うと、イギリスおよび親英国派のユニオニストと、イギリスの支配に反対するアイルランド共和党との対立だ。

1983年にFBIの目に留まったフラグは、サンフランシスコの警察官経由で現れた。どうやらその警官は、アイルランド共和軍暫定派(IRA)のシンパがひいきにしていた地元のバーの客仲間から情報を掴んだとみられる。フラグの原因となったその男性は、北アイルランドに駐留する英国軍にゴム弾で娘を殺されていて、訪米中に「エリザベス女王を痛めつけてやるつもりだ」と主張していた(報告書では、個人名は全て黒く塗りつぶされていた)。

その男はご丁寧に2つの案も披露した。ひとつは、ヨセミテ国立公園訪問中に襲撃するというもの。もうひとつは、王室所有のヨット「ブリタニア号」がサンフランシスコのゴールデンゲートブリッジの下を通過する際に、上から「物を落とす」という案だった。

シークレットサービスはこの危険情報を真剣にとらえ、ブリタニア号が橋の下を通過する際にゴールデンゲートブリッジの歩道を封鎖する計画まで立てていた。だが襲撃は実行されず、誰も逮捕されなかったようだ。結局、女王陛下の訪米は「つつがなく」執り行われた。

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from Rolling Stone US

Akiko Kato

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