「ツタロックDIG LIVE Vol.12-EXTRA-」、6組のバンドがWWWに刻んだ圧倒的熱量

シンガーズハイ

2023年6月17日(土)、東京・Shibuya WWWにて「ツタロックDIG LIVE Vol.12-EXTRA-」が開催された。今チェックしておきたい次世代のシーンの主役を集結させるという目的で2014年から継続してきた同企画。本公演では、音楽シーンにおいて注目の若手バンド総勢6組が出演した。

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606号室

本ライブのオープニングアクトとしてトップバッターを務めたのは、大阪発のピアノロックバンド・606号室。結成からわずか1年という中、すでにインディーシーンにおいて注目を集めている男女混合の若手バンドだ。軽快なシンセに心踊らされるポップなナンバー「スーパーヒーロー」でスタートし、観客の視線を一点に集中させる。パワフルなロックサウンドに円花(key)が奏でるリードピアノの美しい旋律が加わることで、606号室にしか出せない唯一無二のバンドアンサンブルが生み出されていた。そして、昇栄(Vo/Gt)の混じり気のないピュアな歌声は聴く者に親近感とぬくもりを与えてくれる。そのおかげで日常生活や恋愛模様を描いた歌詞が自分ごととして自然と体に馴染み、心に沁みていく。女々しい内面をリアルに描いた失恋ソング「未恋」を歌い上げ、早くも次で最後の曲「君のことは」。爽やかでメロディアスなサウンドに昇栄の柔らかい歌声が切なく響き、観客を魅了した。「こんな大きい会場初めてで緊張します笑」と言いながらもそんなことを全く感じさせない堂々としたパフォーマンスで会場に強いインパクトを残し、ステージを去っていった。


Lym

続いては、温かいメロディ、寄り添ってくれる歌詞を王道ロックサウンドに乗せて歌うロックバンド・Lym。メンバー1人ずつステージに姿を現し、客席に向かって深々とお辞儀。高木レオ(Vo)の声とギター一本で静かに始まったのは「花と舞う」。切なさを孕んだメロディと情緒的な歌声で一瞬にして会場の空気を自分たちのものにする。次の楽曲「フライト」では、爽やかなイントロのギターリフから始まり最後まで疾走感と勢いで駆け抜けていった。「今から可愛い曲をやろうと思います!」と言い、軽快なリズムと丸い歌声で始まった楽曲は「見つめあって、そばにいて」。雰囲気の違った楽曲を立て続けに披露し、観客の心を鷲掴みにしていく。夏の情緒漂わせながら淡い恋心を歌う「ランドリー」では、高木の優しさと力強さを併せ持った歌声にオーディエンスの心は激しく揺さぶられる。悠理(Gt)の空間系エフェクトを効果的にかけた煌びやかな音色のリードギターが幻想的に鳴り響き、美しいサウンドスケープを演出していた。ラストの曲は、開放感あふれるサビが最高に気持ち良い「March」。「幸福な毎日ではないけど」というリフレインとともに思わず湧き出る感情が刺激される。フロア全体を温かさと切なさで包み込み、圧巻のパフォーマンスを締めくくった。

Rolling Stone Japan 編集部

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