「ツタロックDIG LIVE Vol.12-EXTRA-」、6組のバンドがWWWに刻んだ圧倒的熱量


bokula.

ライブは怒涛の後半戦へ突入し続いてのステージには、広島発の等身大ロックをかき鳴らす4人組ロックバンド・bokula.。1曲目「愛してやまない一生を.」で骨太なロックサウンドと伸びやかで心に刺さる歌声をフロアに響かせると、のっけから観客は拳を突き上げて歌う。イントロから思わず踊りたくなる衝動に駆られるポップなナンバー「足りない二人」では、観客はサビでジャンプをして、中盤にはクラップで一体感をみせていた。「ライブハウスで夏感じてください。暴れる準備できていますか?」とえい(Vo)が熱くフロアを煽り、スタートした楽曲は「夏の迷惑」。キャッチーな歌メロと語感の良さに観客は自然と体を動かし、フロアは激しく上下に波打っている。その光景を見て、やっとコロナ以前のライブハウス本来の空気が帰ってきたのだと改めて実感した。そんなライブハウスにbokula.が捧げる歌「この場所で.」、4人が鳴らす音圧に圧倒された「ハグルマ」と盛り上がる楽曲を続け様に披露し、客席の興奮はピークに到達する。雰囲気は変わって、えいの弾き語りで始まったのは、ゆったりとしたテンポのバラード「まみれて」。人懐っこいメロディとエモーショルなリードギターにオーディエンスはうっとりと聴き惚れている。「バイマイフレンド」では、軽快なリズムに合わせて客席の全員で手拍子をして、フロアいっぱいにハッピーなバイブスが溢れていく。ラストの「満月じゃん。」を歌い上げて、客席からの鳴り止まない拍手を背にbokula.はステージを去っていった。彼らの観客の心を握りしめて離さないようなパフォーマンスに、観客は心を踊らせながら全力で音楽を楽しんでいるように見えた。


シンガーズハイ

本ライブのトリを飾ったのは今最も勢いに乗る4人組ロックバンド・シンガーズハイ。1曲目の「我儘」から全身に電流が走る様な衝撃をフロアに発し、それに共鳴するようにフロアのボルテージが一気に上がり、のっけから空気を完全に掌握した。ほりたいが(Gt)がイントロのギターフレーズを高らかに響かせて始まった「グッドバイ」。内山ショート(Vo)のボーカルからは、命を削りながら歌っているような鬼気迫る迫力を感じる。激しい演奏でギターの弦が切れた内山に、代わりのギターを届けにステージに上がって来てくれたのはbokula.のボーカル・えい。「ありがとう、やっぱ友達って大事だ」という内山のコメントに客席からは笑い声が。ほのぼのとした雰囲気の中、次の曲はミドルテンポのメロウなナンバー「フリーター」。切ないメロディを歌う内山のハイトーンボイスが、オーディエンスの琴線を激しく揺さぶる。「日記」では4人のアグレッシブなプレイが冴え渡り、客席の興奮に拍車がかかる。その後も「僕だけの為の歌」「エリザベス」「すべて」と勢いを落とすことなくアップテンポで激しい楽曲を次々と投下していった。白熱のライブは終盤に入り、ここで代表曲「ノールス」。愛やら恋に皮肉を込めた刺々しい歌詞、エッジが効いたオルタネティブなサウンドが観客のアドレナリンの分泌をますます加速させていく。「誰かを傷つける為じゃなく、嫌なことも受け入れていく為の歌、俺たちクソガキの曲です」と観客に語りかけ、「Kid」へ。ノリの良いビート感とグルーブに刺激され、オーディエンスは拳を振り上げて昂る感情を露わにする。そのままラストナンバー「daybreak」を披露し、圧巻のパフォーマンスを締めくくった。興奮が冷め止まない中、拍手喝采とともにアンコールを求める声が上がる。その声に応えて再び4人がステージに戻り、1曲目の「我儘」をもう一度披露。観客とともに最後のエネルギーを爆発させステージを去っていった。シンガーズハイの記憶に残る強烈なパフォーマンスは、これからも続くであろう彼らの勢いをまさに体現しているようだった。



<イベント情報>

「ツタロックDIG LIVE Vol.12-EXTRA-」
2023年6月17日(土)Shibuya WWW
主催:CCCミュージックラボ(株)/ライブマスターズ(株)
公式HP:https://cccmusiclab.com/tsutarockdigex
公式SNS
Twitter:https://twitter.com/tsutarocklive
Instagram:https://www.instagram.com/tsuta_rock_live_official/

Rolling Stone Japan 編集部

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