山本彩、15公演巡る全国ライブハウスツアー完走「完璧な相思相愛だなって思います」

山本彩(Photo by 佐藤祐介)

山本彩が、全国ツアー「SAYAKA YAMAMOTO TOUR 2023 - & -」のファイナル公演(追加公演)を8月3日東京・Zepp Hanedaにて開催した。3年ぶりのオリジナルアルバム『&』を携えた今回のツアー。彼女は観客の熱狂的な歓声を受けながら、アーティストとしての魅力をダイレクトに見せつけた。オフィシャルレポートを掲載する。

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オープニングを飾ったのはアルバム『&』の収録曲。ラップを取り入れたボーカルと強靭なバンドサウンドが共鳴する「Don’t hold me back」、“私は最強だ!”という強いエモーションが突き刺さる「Bring it on」。激しくギターをかき鳴らしながら凛とした歌声を響かせる山本彩のパフォーマンスによって、観客のテンションは一気に上がっていく。アコギに持ち替えて披露されたのは、山本自身が敬愛する阿部真央の書き下ろし曲「喝采」。フロアに伸びる花道に進んだ山本は、オーディエンスとしっかり目を合わせながら、心地よい一体感へとつなげた。

「ツアーファイナルへようこそ、山本彩です!」と挨拶すると、会場全体から凄まじい歓声が沸き起こる。「みんなの声の聞かせてもらっていいですか? 女性(限定)エリアのみんな! 男子負けてないよね!」と観客の高揚感をさらに引き上げた後、「unreachable」へ。ラテンの雰囲気を感じさせるサウンドとともに、官能性を滲ませるボーカルに強く惹きつけられる。ハンドマイクによるセクシーなステージングからは、シンガーとしての魅力がはっきりと伝わってきた。


Photo by 半田安政

そして、ライブ前半でもっとも心に残ったのは、「劣等感」だった。マイナスの感情に苦しめられながらも、〈ムカつく程に今日も劣等感に生かされる〉というフレーズにたどり着く。自身のリアルな感情を刻み込んだ楽曲をステージで解き放つ姿は、まさに圧巻だ。

伸びやかな歌声が印象的だった「風の日」を披露した後のMCコーナーでは、山本、バンドメンバーがツアーの思い出を語り合った。バンドメンバーの小名川高弘(Key,Gt)、草刈浩司(Gt)、SATOKO(Dr)、奥野翔太(Ba)、Ayasa(Vn)、asami(Cho)は、1stツアーの時期から山本を支えてきた“チームSY”。演奏の素晴らしさはもちろん、トークからも気の置けない関係性を感じることができた。

「そんじゃあ、夏っぽい曲をやりたいと思います」という言葉に導かれた「蛍」(山本のギターソロも素敵!)からは、山本彩の多彩なボーカル表現を体感できるシーンが続いた。理想と現実の間で揺れながらも、“きっとなりたい自分になれる”という思い美しいファルセットとともに描いた「ゼロ ユニバース」。大切な存在だった“あなた”との別れを抒情的に映し出す「追憶の光」。そして、異国情緒漂うメロディがゆったりと広がった「ラメント」。エモーショナルなロックチューンの印象も強いが、山本の音楽性とボーカリゼーションはきわめて多彩だ。

Rolling Stone Japan 編集部

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