BABYMETALが語る「メタり!!」の裏側、3人になって新たに発見したこと

BABYMETAL:左からMOMOMETAL、SU-METAL、MOAMETAL

SU-METAL、MOAMETAL、MOMOMETALの3人体制となった新生BABYMETALが、初の新曲「メタり!! (feat. Tom Morello)」をリリース。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのギタリストであるトム・モレロをゲストに迎えた、この夏一番の話題作と言っていいだろう。キャッチーなメタル要素とトリッキーなアプローチを交えた鋭いギターが見事に融合。2023年、世界を相手に様々なジャンルをクロスオーバーしていく3人に話を聞いた。

【写真を見る】BABYMETAL WORLD TOUR 2023 ASIA (タイ・バンコク公演)

—初お披露目となった『BABYMETAL BEGINS - THE OTHER ONE-』から、UK、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアと新体制で臨んだ2023年上半期の海外ツアーはどんな手応えがありましたか?



SU-METAL:私たちにとっては3年ぶりぐらいの海外ツアーで、その間はコロナがあって世の中が大きく変わって、私たちもライブ活動を封印していたことで、ライブに対する向き合い方も変わっていった期間でした。だからまず、サバトンさんが私たちのことを覚えていてくださって、自分たちのツアーに呼ぼうと思ってくださったことが今回すごく光栄で。サバトンさんがメインのライブではあったんですけど、イギリスやヨーロッパに住んでる現地のファンの方が、私たちのライブを観に来てくださって。初めて行ったポーランドでも、「ずっと待ってたよ」みたいな空気が伝わってくるような、温かいリアクションがたくさんあったことがうれしかったです。もともと私はサバトンさんのことが好きだったし、サバトンさんとのツアーが決まってからはレッスン前にテンションを上げるために毎日聴いたりしていたので、ツアーで間近で触れてみて、目と耳で感じてこそのバンドなんだなってあらためて感じました。自分もサバトンのライブの中にいるんだって実感できました。24公演の長いツアーだったんですけど、パフォーマンス面でもすごく勉強になりましたし、スタッフさんに気遣ってくださったり、私たちに対しても優しかったり、彼らがそういうふうに接してくれてたから、私たちはツアーを楽しめたなって思います。すごく楽しかったです。

MOAMETAL:新体制になってまだ4カ月くらいなんですけど、全然そんな感じがしないぐらいめちゃめちゃ濃厚な時間を過ごしてるから、今はどの公演もすごく楽しくて。海外のライブも最初は「新体制になってすぐだし、大丈夫かな」って話してたけど、どの会場にも待ってくださるファンの人がいたことが自信につながりましたね。長い間、ライブ活動ができなくてもどかしい思いをしてたけど、それ以上にお客さんが待っててくれたことがすごくうれしかったし、今まで以上に若い子が多くて、そういう子たちから憧れられる存在に少しずつなれてるのかなって。これまではメタリカさんとか上の世代に引っ張ってもらってきたけど、自分たちもしっかり意思を持って道を切り開いて、若い人たちを引っ張っていけるようになりたいなって強く思ったツアーになりました。

MOMOMETAL:2カ月間ぐらい海外にいたんですけど、ツアーってこんなに楽しいものなんだって思って(笑)。

MOAMETAL:よかったよかった(笑)。

MOMOMETAL:公演によってお客さんの反応が違うのも面白いし、一番はステージにほぼ毎日のように立てることが幸せだなって思いました。インドネシア公演でお客さんがほぼ全曲一緒に歌ってくれて、それが新鮮というか、言語も違うのに全部覚えてるのが「すごい!」と思って。

SU-METAL:本当にすごかった。

MOAMETAL:楽しかったね。

—MOMOさん的にはサポートで参加するのと、メンバーで参加するのとでは心境的にも違ったんじゃないですか?

MOMOMETAL:そうですね。新体制になった私たちをできる限りいろんな方に見ていただきたいって想いが強くあったので……。

MOAMETAL:私たちも近くで見てて、いちメンバーになったことで責任感が強くなってるなって感覚はあって。今までは私たちをサポートしてくれる存在だったんじゃないかなと思うんですけど、ちゃんと自分の意思も持ってるし、13年続いているグループに入るっていうなかなかのプレッシャーある中、それも理解した上でこのグループを選んで入ってきてくれた。その覚悟もあるので、強いと思います。

MOMOMETAL:2人が築いてきた歴史をお客さんは知ってるから、私もそれをしっかり守りつつ、新しいBABYMETALの未来も楽しみにしていただきたいって、ツアーを通して思いました。

—タイ公演ではF.HEROと4年ぶりに共演しましたよね。ライブでは映像でいつも出てくれてたけど、久々にお会いした印象はどうでしたか?

MOAMETAL:今までずっとライブで「PA PA YA!!」をやるたびにステージにいたから、4年も会ってない感覚がなくて。久しぶりです!みたいな(笑)。

SU-METAL:リハーサルの時とかはすごく大人しい感じだったけど、本番になった瞬間にオラー!ってなってた。

MOMOMETAL:めちゃくちゃ楽しかったです。

SU-METAL:MOMOMETALは(F.HEROの)生ラップは初?

MOMOMETAL:そうです。迫力がすごくて(笑)。最高でしたね。

MOAMETAL:タイの公演だったからF.HEROさんのファンの方もいて、タイ語で盛り上げてくれて。1曲なのがもったいなかったね。

SU-METAL:いや、本当に。

MOAMETAL:もっといろいろやりたかったです。


Photo by Taku Fujii

—さっきMOAさんが「若い子が多かった」って話されてましたけど、コロナ禍を経て、自分たちの音楽がこれまでとは異なる受け止められ方をしているなって感覚はありますか?


MOAMETAL:私たち自身は何も変化していない気持ちでいたので、何かを意識してたとかはなかったんですけど、ただ思い返すと、最近いろんな方とコラボさせていただく機会が増えたなって。それこそラッパーのリル・ウージー・ヴァートさんとか(「The End (feat. BABYMETAL)」で共演)、前に、ブリングミー(ブリング・ミー・ザ・ホライズン)さんの「Kingslayer feat. BABYMETAL」に参加したのもそうだし、ジャンルを飛び越えてBABYMETALが広がっていってたんじゃないかなって思いますね。だからこれまで知らなかった人たちにも広がっていったんだろうし、最近日本のグループがいろんなカルチャーを通して海外進出してるのを含めると、私たちもアジアの代表として、面白いジャンルを作っていけてるんじゃないかなと感じます。





—「Kingslayer」って、ブリングミーの今のライブのセトリには欠かせない曲の一つになってますよね。フェスとかでもよくやってるし。

MOAMETAL:不思議だし、私たちがライブ活動をしてない期間もやってくれてたので、本当にありがたいです。

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