セイレム・イリース来日直前インタビュー ギターロックへのこだわり、溢れ出る日本愛

セイレム・イリース

 
TikTokから火がついた「Mad at Disney」で一躍ポップシーンの最前線に躍り出たセイレム・イリース(salem ilese)。言葉の響きやリズム、ダブルミーニングを最大限に活用した歌詞と、有無をも言わせぬポップサウンドで支持を集める彼女が、遂にデビューアルバム『HIGH CONCEPT』をリリース。ハッピーで楽しいだけじゃない新たな方向性と、ライブやギターロックへの拘り、カラオケ定番曲や、溢れ出して止まない日本愛まで、10月9日(月・祝) 大阪、11日(水)東京のビルボード来日公演を前にたっぷり語ってもらった。

※ビルボードライブ公演のチケットプレゼント実施中、詳細は記事末尾にて


ギターはタイムレスな楽器

―1stアルバム『HIGH CONCEPT』が遂に完成しました。まずはそのタイトルにも掲げられた、その”コンセプト”から教えてもらえますか?

セイレム:このアルバムのコンセプトは、コンセプトがコンセプトっていう…ごめんなさい、コンセプトばかり連呼して(笑)。私は常々コンセプトを決めてから曲を書き始めるのですが、言葉のあやや、捻りを利かせた言葉遊びなどですよね……子どもの頃からの癖で、いつも面白い言葉を探してはリリックを書いていたんです。言葉オタクと自分でも呼んでいるほど。それくらい言葉への拘りが尋常じゃないんです。曲作りのプロセスに関しても、最も楽しいのがタイトルやコンセプトを考えている時。このアルバムでは、私がこれまでに作ってきた中でも、とびきりお気に入りのコンセプトをもった集めています。だから、みんなにもしっかり歌詞に注意して聴いてほしいです。

―引き続きベンディック・ムラーも関わっていますか?

セイレム:もちろん、彼がアルバムのエグゼクティブプロデューサーを務めています。共作者でもある彼は、多くの曲に関わってくれました。私が曲のコンセプトを思いつくと、まず最初に相談するのが彼ですし、多大な信頼を寄せています。他にも今回はずっと私が大ファンだったK・フレイというアーティストも参加してくれました。「Strongly Worded Letter」という曲で共作しています。あと友人のジェイク(・ベネット)やvaultboyも参加してくれています。




ギターを手にした、シングル「Strongly Worded Letter」ジャケット写真

―デビュー曲「Mad at Disney」以来、コンスタントに楽曲を発表されてきましたが、それらはアルバムに収録されていません。

セイレム:ええ、このアルバムには新しい曲だけを収録したいと考えたからです。もちろん「Mad at Disney」や「PS5 (with TOMORROW X TOGETHER & Alan Walker)」は、私にとって今でも特別な曲ですが、既にEP『unsponsored content』(2022年)に収録したこともあり、このアルバムは最新曲だけで統一感のある内容にしたいと考えました。過去の作品より少しダークだったり、少しエッジーだったり。私としても飛躍したのではないかと感じています。

―アルバムからはギターサウンドが多く聴こえてきます。90年代グランジロックの影響を受けたポップソングを彷彿とさせます。その辺りの方向性は意識して狙ったのですか?

セイレム:元々そういう曲をよく聴いていて、特に車の運転をする時はロックやオルタナティブロック、パンクなどをいつも聴いています。ザ・ストロークスやThe 1975などが大好きだし、この世で一番好きなロックバンドは間違いなくザ・キラーズ。どのバンドも、ギター使いが上手いですよね。私はリスナーとしてこういうギターロックを聴くのが大好きなのですが、自分のやってる音楽性とは違っていると思って、あえて区別していました。でも今回自分の聴きたい音をサウンドに反映させてもいいんじゃないかと考えました。

アルバム中で最も好きな曲は、日によって変わるのですが、「Team Sport」「Strongly Worded Letter」「PainHub」「2much2think」など、ロックのヴァイブスのある曲が大好きです。自分の曲が街中やパーティなどで流れてくると、少し照れ臭かったりもするのですが、こういったロックソングに関しては、なぜか「これ私が作った曲なのよ!」と胸を張って言いたいくなってしまいます(笑)。それほど大好き。すごくクールじゃないかと思っています。




―当初からギターで制作を?

セイレム:ギターで書き始めた曲も多くあります。ずっと幼い頃にギターを弾いてたのですが、もうすっかり忘れていて(笑)。でも改めてギターのレッスンを始めたら、すっかりギターに夢中。すごく楽しくて、ずっと弾いてたいぐらいです。

―最近ではロックのリバイバル傾向が見られたり、オリヴィア・ロドリゴのような若手シンガーがギターサウンドを取り入れています。ポップソングの世界にもロックの波が寄せているのでしょうか?

セイレム:というよりも、タイムレスだからじゃないかと思います。確かに巷にはギターサウンドが溢れている傾向がありますよね。でもロックは常にカッコ良くて、廃れないスタイルだし、特にギターはタイムレスな楽器だと思います。直接的に感情を表すことができるところに魅力を感じます。

 
 
 
 

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