ネオナチ格闘技ブランド、白人至上主義者グループの資金源に 米

Active Clubは全米34州で少なくとも46支部が存在

Will2Riseを見ると、Active Club創設メンバーが流れに乗じて金儲けを企んでいることがわかる。Active Clubの生みの親ロバート・ランド氏は、カリフォルニア州オレンジ郡出身の白人ナショナリスト。以前はRise Above Movement(RAM)というストリートファイト集団を率い、社会正義を訴える極左アンティファの抗議デモを荒らしまくっていた。連邦検事局はRMAを「新手のナショナリズム白人至上主義や白人アイデンティティ運動」の一派で、「戦いに飢えた民兵集団」と位置づけている。

ランド氏は2019年、RAMがハンティントンビーチ、バークレー、サンバーナディーノで起こした騒動が原因で、「暴動共謀罪」で連邦起訴された。起訴はいったん取り下げられたが、控訴裁で起訴内容が合憲と認められ、2021年に再起訴された。だがロンド氏は逮捕を免れ、逃亡先の東欧で白人至上主義の暴力集団を組織し続けている――その流れで、RAMもActive Clubの支部に改編された。

Active Clubムーブメントは飛躍的に勢力を増している。NPO団体Counter Extremism Project(CEP)の最新のレポートによると、全米34州で少なくとも46支部が存在することが判明した。「多国籍な」同ネットワークはカナダやヨーロッパなど15カ国にも及び、フランスだけでも23支部が存在するという。

CEPの調査を担当したアレクサンダー・リッツマン氏によれば、Active Clubは人目もはばからず堂々と「民兵の組織化を図っている」という。内部抗争を避け、警察当局から危険視されるのを防ぐために、「白人の結束」という広義のイデオロギーを建前として掲げている。戦闘訓練の具体的な目的は依然として曖昧だが、意図的にそうしているのだとリッツマン氏は主張する。暴力的な白人至上主義ムーブメントには「思想家よりも戦士」が必要だという考えがあるためだ。来る「Xデー」(1月6日の連邦議事堂事件の再来か)で戦闘要員が必要になった際、こうしたActive Club支部にファシスト勢力の先陣を切らせるのが最終的な目標だと警鐘を鳴らす。「指導者が姿を現した日……なんらかの軍隊が必要になる。その日に備えて民兵を組織しておくことが目的です」

CEPの報告書によれば、Will2Riseブランドの「立ち上げの原動力」になったのもランド氏だ。南部貧困法律センターは先日、Will2Riseを「白人至上主義のヘイトグループ」のリストに加えた。Will2Riseの店舗の業務内容は多岐にわたり、Active Clubムーブメントのイメージアップや募金活動、人材採用サポートなども行っている。リッツマン氏の調査によれば来店客は月間約1万人で、滞在時間は約15分。「おそらく買い物客だと思われます」

Translated by Akiko Kato

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE