TEAM SHACHIが語る 「継続は力なり」、マインドチェンジの背景と変わらぬ愛情

「本当に幸せな瞬間」

―4人はここまで着実にキャリアを積み重ねていて、今回これだけバラエティに富んだ作品をつくったわけですが、今、4人それぞれがグッと来る歌詞ってどういうタイプのものなんですか。大人になった分、何年も前とは感覚がけっこう違うと思うんですが。

咲良 うわ、むっず! いっぱいあるな。今回のアルバムの歌詞はめっちゃグッときちゃってる。

秋本・大黒・坂本 わかる~!

咲良 恥ずかしいから普段はこんなこと言わないけど。

―例えば?

坂本 「舞頂破」のラスサビ。<変わらないでずっとここにいるから 苦しい事も消し飛ばすよ>。私たちは変わらずにずっとここにいるよ、ということを目の前にいるタフ民に言ってるときに、「いや、マジでこれ……!」って思っちゃう。

咲良 実際に思ってるからね。

坂本 「舞頂破」はプライベートレーベルを発足してから最初の曲だから思い入れが強いかもしれないです。

秋本 私は「愛のニルバーナ」の<シャチっていったらライブだね ライブといったらシャチだよね だよね だよね だよね~>って自分たちで言ってるのがなんかすごくグッときちゃうんですよ。私たちが一番やりたいことはライブで、ファンのみんなと一緒に作るライブが本当にやりたくて、それに対して<だよね だよね だよね~>ってファンの人も一緒に言ってくださるっていう。バカっぽいけど変に明るいのが逆にエモくなっちゃう。



―その感覚はわかります。

大黒 私は「Voyage」の<虹をかけてくれた「あなた」となら、さあ>ってところなんですけど、私もちょっとアイドルオタクをやらせていただいてて……。

―「やらせていただいてて」(笑)。

咲良 なんか職業みたい(笑)。

大黒 (笑)ファンの立場だと自分は大勢いる中の1人だと思ってしまうんですけど、ステージに立つ側からすると1人1人のことが本当に大切だし、そんなふうには思ってほしくなくて。だから、この歌詞は「みんな」じゃなくて「あなた」というところがすごく素敵だなって思ってけっこうグッときます。

―ドルオタだからこその視点ですね。では、菜緒さんは?

咲良 歌詞というか、ライブ中の景色も含めた「この瞬間!」みたいなことを言うと、 このアルバムには入ってないですけど、「アサガオ」っていう松隈(ケンタ)さんにつくってもらった曲で柚姫が落ちサビを歌うとき、私、柚姫の後ろにいるんですけど、そこからだとメンバーとお客さん全員が見えてマジでエモい! みんなで声を出せる曲だし、サビではみんなで手を広げて踊るから解放感もすごくてライブハウスで映えるから、めっちゃロックスターみたいで超カッコいいのね。



大黒 え、嬉しい!

咲良 柚姫もカッコいいし、柚姫のそばにいるメンバーも「あ、いいな」って。まあ、私もメンバーなんだけど!(笑)

―あはは!

咲良 とにかく、ステージにいる3人とそれを見て手を振ってるタフ民を見ると、「あ、これは本当に幸せな瞬間だな」って感じますね。今回のツアーでもやってるんですけど、毎公演それは思いますね。一番多幸感があるというか、すごくいい気持ちになれる瞬間だから、すっごい好きです。

―菜緒さんは特等席で見てるんですね。

咲良 そう、頭にカメラつけたいもん。みんなに見てほしい。

大黒 確かに、タフ民は見れないもんね。

咲良 みんなすっごいいい顔してるのがわかるし、すっごい幸せな空間なので、「これが続けばいいのに~」って思ってます。

―メンバー全員、頭に小型カメラをつけたりして。

咲良 見せてあげたーい!

秋本 それ、アリです~。

坂本 メンバーがアイコンタクトしてるのもわかるし。

大黒 めっちゃ面白そうだね!

―カメラが付いてても見た目的に成立しそうな衣装にして。

秋本 シャチの推しメンカメラは推しメンを見るんじゃなくて、推しメンからの景色を見るっていうことでアリじゃない?

咲良・大黒・坂本 アリアリアリ!

―これだけ様々なタイプの曲をやっているからこそお聞きしたいんですけど、 今のTEAM SHACHIができない曲ってあるんですか。

咲良 最初の頃は「アゲ曲以外の曲って歌えるのかな?」とか思ってたし、今回のレコーディングも「これ、歌えるかな?」って思ってばっかりだったんですよ。

大黒 難しかった。

咲良 「Voyage」も「おとなりさん」も。松隈さんの曲(「勲章」)も松隈さんディレクションで歌ったんですけど……。



秋本 レコーディングする前までは自分が歌ってるのが想像できなくて。だけど、松隈さん節というものを教えていただいて、「音程とかを気にしないで魂で歌ってほしい、雑に歌ってほしい」ということで、雑に歌う代わりに魂を届けるという歌い方を初めてさせていただきました。それが私の中では一番の挑戦だったんですけど、それができたからこそ、今はなんでも挑戦してみたいって思うようになれました。

―今のTEAM SHACHIならなんでもやれちゃうんですね。

咲良 そういう意味でも自信がついたアルバムになってます。「江戸女」の歌詞も<江戸の女に生まれたかった>で「そんなこと言っていいのかな?」って思ったし、「<結婚したい>なんて言っていいのかな?」みたいな。だって、年齢的にリアルだから(笑)。



―あはは!

咲良 でも、自分たちがそういう曲に挑戦して自信がついたのは、タフ民がライブで楽しんでくれたり、「この曲好き」って言ってくれるからだし、そのお陰で自分たちの自信につながってるから、最終的に決めるのはタフ民というか。今回のツアーでもタフ民のリアクションがいいからすごく手応えを感じるし、どの曲もシャチらしくなれたのかなって。

―タフ民がシャチらしくしてくれたという。

咲良 うん、認めてもらえたって感じです。

―今やってるツアーではすでに新作からの曲をたくさん披露しているんですよね。

坂本 本当は12月ぐらいにアルバムをリリースするパターンも考えていたんですけど、最終的に2月にリリースすることになりました。

秋本 だから、「ツアーに来たら新曲が聴ける」っていう方向に見せ方を変えました。

―先にライブで新曲を披露してからアルバムが出るという 流れがバンドっぽくて面白いと思いました。普通は先にアルバムが出て、ツアーが始まるまでにそれを聴き込んでくるっていう感じじゃないですか。

大黒 そうですね。今回はツアー初日にみんなが聴いたことのない新曲を何曲かセトリに入れることになって私たちもすごく新鮮だったし、タフ民も曲がよくわからないなりにコールを入れてくれて。新曲に対する先入観がない分、一緒に新曲をつくれてる感覚があります。たとえば、「縁爛」はお祭りの曲なんですけどこんなに盛り上がる曲になるとは思ってなかったし、そういう意味ではみんなとつくり上げたアルバムになったと思います。



―先にライブで観ていることで、タフ民的には作品の受け取り方が違ってきますよね。


咲良 全然違うと思う。

坂本 しょっちゅう来てくれてる人なら振りはもう頭に入ってるだろうし。

―先ほど武道館の話が出ましたけど、ここにたどり着くために今後どんなことが必要になってくると思いますか。

秋本 シャチの輪を広げることが一番大切ですね。ライト層の方たちにシャチのことを知ってもらって、そこから今度は好きになってもらわなくちゃいけないので、何をするのが正解なのかは誰もわからないとは思うんですけど、シャチらしく楽しいことをいっぱいしていけばきっとライブに来てくださると思うので、いろいろと仕掛けたいです。

―TikTokであれだけの結果を残した今、その言葉はめちゃめちゃ説得力がありますね。

秋本 プライベートレーベルになってからより自由なタイミングで曲を出せるようになったんですよね。たとえば、「おとなりさん」はFRUITS ZIPPERさんと高嶺のなでしこさんとの3マンのタイミングでリリースしたし、自分たちのレーベルだからこそできる細かい動きもあると思うので、いろいろと仕掛けていきたいです。


Photo by Rika Tomomatsu

<INFORMATION>


『笑う門には服着る』
TEAM SHACHI
ワクワクレコーズ
発売中
https://ssm.lnk.to/WARAUKADONIHAFUKUKITARU

1. Voyage
2. おとなりさん
3. 愛のニルバーナ
4. 沸き曲
5. FANTASTIC MIRAI
6. 舞頂破
7. 勲章
8. NEO首都移転計画
9. 江戸女
10. 縁爛
11. だれかのために生きる今日を

TEAM SHACHI ライブハウスツアー2023-2024 WINTER ~ライブスペクタクル!命短し、沸かせよ乙女~

3月31日(日)兵庫・神戸Harbor Studio(※振替公演)
[第1部]OPEN 14:15 / START 15:00
[第2部]OPEN 17:45 / START 18:30

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