SUM 41が語る解散の経緯と30年の歩み、ポップパンクとメタルが共存する「最後の作品」

「夏休み」の終わり、バンド解散後の動向

─夏休みの41日目に観た『Warped Tour』に感銘を受けたことでスタートしたSUM 41ですが、30年近く続いた“夏休みの延長(=バンド活動)”はあなたにとってどんな期間でしたか?

デイヴ:そうだなあ……つい最近、デリックに「自分たちは100億分の1くらいのチャンスを勝ち獲ったんだよな」っていうテキストメッセージを送ったばかりなんだけど、僕らがトロントでSUM 41を始めたばかりの頃は、決して周りから好かれるような存在ではなかった。「自分たち以外みんな敵だ!」ぐらいの気持ちで活動を始めて、気づいたら僕らは“4匹のモンスター”にまで成長していた。もちろん、僕を含めここまでメンバーチェンジも何度かあったけど、新旧メンバー誰もがお互いのことが大好きで、今では彼ら以外のメンバーとは一緒にできないぐらいにまでリスペクトし合えている。そういったバンドの物語を表現する上で“Vacation”という言葉が最適だったんだけど、たくさんの素敵な思い出や出会いに感謝の気持ちを持って、2025年1月30日にこの“Vacation”を終えられそうだよ。

─では、SUM 41が後続たちに与えた影響やシーンに残した功績について、あなたはどう考えていますか?

デイヴ:いろんなバンドから「SUM 41に影響を受けたんだ!」と言われるのはとてもうれしいけど、普段はそんなことまったく意識していなくて。僕らは常にバンドとしてやらなきゃいけないことに精一杯で、誰に影響を与えてきたかなんて考える暇もなかった。ただ、SUM 41が30年間もライブバンドで居続けられたことに対しては、僕は今でも信じられないと思っているし、メンバーの誰もが誇りを持っているはずだよ。



─来年の今頃はすでにSUM 41の活動は終了しているわけですが、あなたはその頃何をしているんでしょうね?

デイヴ:まだまだライブがたくさん控えているので、1年後のことはまだ想像できないんだけど……もちろん寂しかったり悲しかったりすると思うよ。でも、僕は家庭の問題で2006年に一度バンドを離れ、2015年に復帰したわけで、そもそもバンドに戻れるなんて思ってもみなかった。そういう意味では、悲観するよりも自分の幸運さを噛み締めているんじゃないかな。

─すでに次のアクションについては考えているんですか?

デイヴ:自分にとってステージの上で何かを表現することが一番の幸せなので、そういう表現活動を続けているとは思う。ただ、現時点においてメンバー誰ひとりとしてSUM 41の活動を終えたあとについて、話し合っていないんだ。今はとにかくツアー先での一瞬一瞬がもっとも大事だからね。

─わかりました。今はこの最高のラストアルバムがより多くのリスナーのもとに届くことを願っています。

デイヴ:うれしいことに、このアルバムからはすでに20年ぶりの全米No.1ヒットが生まれているんだ(※リード曲「Landmines」がBillboard Alternative Airplayで1位を獲得)。僕らは「お客が来ようが来まいが楽しもう!」という思いで今回のこのラストツアー開催を決めたんだけど、ツアーを始めて数ヶ月経ってみて「最高の“最後の1年”になりそうだ」と確信できたところ。アルバムの仕上がりに関しても僕ら自身誇りを持っているので、君が言ってくれたように多くの人に聴いてもらえることを願っているよ。




SUM 41
『Heaven :x: Hell』
発売中
再生・購入:https://sum41.lnk.to/HeavenHell

Translated by Sachiko Yasue

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