UMI来日ツアーが開幕 一人ひとりと密に繋がる「ハピネス」と「ヒーリング」に満ちた一夜

Photo by Coliair

米シアトル出身のシンガーソングライター・UMIが全国4都市を巡る「talking to the wind tour」を開催。東京・京都・大阪・福岡と続く全国ツアーの初日となる4月2日に恵比寿リキッドルームを訪れた。

※以下、セットリスト等ネタバレあり

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開演時間をしばらく過ぎた頃、パステル調でマーブル模様の衣装に身を包んだUMIが「こんにちは! みんな!」と元気よく登場。バックDJを務めるのはプロデューサーでもありパートナーでもあるV-Ronこと「ヴェロちゃん」である。日本人の母を持つUMIは終始日本語でMCをしてくれた。

まずは「wherever u r [Meditation]」のトラックに合わせ、目を閉じてリラックスした状態で深呼吸を5回ほど行う。吸って、吐いて、吸って、吐いて……。会場全員で呼吸を整えてから始まったのは「why dont we go」だ。「ワッワー!フー! アー!」という調子でコール&レスポンスを駆使して一気にフロアを温めていく。「Love Affair」は一際人気でシンガロングも自然と起こっていた。

UMIはステージを右から左まで忙しなく動き回って満遍なくオーディエンスに声を出させる。一人ひとりと繋がるために全力を尽くすのだ。


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曲が終わると「今日お誕生日の人いますか?」と尋ね、手が挙がるとハッピーバースデーの歌を全員で合唱。と、ここまでは色々なライブでたまに起こることだが、UMIはさらにここで調子を上げてもう一曲スティーヴィー・ワンダーの「Happy Birthday」を歌っていた。大きな水色の水筒で水を飲み、早く飲み過ぎてむせてガハハと笑うのもチャーミングだ。天真爛漫とはUMIのことだろう。かと思えば「日本に帰ってくるたびに会場も大きくなって、広まってるんだなぁ」と感慨を口にしたりと、とても感情豊かだ。


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この日のUMIは毎回タイトルコールをして、それぞれの楽曲について説明をしてくれた。最新EP『talking to the wind』は、外に出て「ごちゃごちゃ」した頭をクリアにする感覚がテーマだという。そのMC中はヴェロちゃんが背後でギターをしっとりと弾いており、親密なムードが途切れないのも素晴らしい。UMIはオーディエンスと心から通じ合いたいと思っているし、どのようにライブを構成すればその想いが伝わるのかを考え抜いている。

「良いことについて考えすぎない、今が良ければ全て良いって曲です!」と述べると、ドリーミーな「happy im」でフロアに暖かい風を吹かせる。「大事な人とハグしてください!」と伝えたUMIはDJブースに駆け寄り、ヴェロちゃんとハグしてほっぺにキスをした。ステージの上にはハピネス以外存在しないのだ。


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ここから3曲はアコースティックセットだ。「Mother」はEarth Day(毎年4月22日、地球環境についてそれぞれのやり方で考えて行動する日のこと)について考えて作ったのだという。深く息を吐いてからヴェロちゃんの演奏に合わせて歌声を響かせる。気分が乗ったUMIは突如「今日のテーマはカラオケ!」と宣言。披露されたのはSZAの「Snooze」で、SZA特有の甘い歌声を的確に捉えた完璧なカバーで、フロアでも多くの人が口ずさんでいた。

UMIは一人ひとりとの交流に熱心だ。挙手した人を当て、一人ひとりの名前を呼びながら「好きな色は?」などの質問をする場面もあった。また、曲を書くときはまずスタジオでフリースタイルをすることが多いというUMIは、「私と一緒にフリースタイルしたい人〜!」と呼びかける。手を挙げた6名がステージに上がると、ヴェロちゃんがビートを流し、一人ずつに8小節のパフォーマンスタイムが与えられた。ラップしたり歌ったりダンスしたりと、まさにフリースタイル。それに合わせてUMIが歌ったり踊ったりとサポートしていたのもハートフルだ。

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