UMI来日ツアーが開幕 一人ひとりと密に繋がる「ハピネス」と「ヒーリング」に満ちた一夜

あらゆる聞き手を肯定する「UMIヴァイブス」

最新曲「wherever u r」はBTS・Vのパートも歌いつつ、全員で深呼吸して締めた。「Butterfly」では握りしめた手を高く挙げ、そこに嫌なことを集めて投げ捨てる!という楽しいアクティビティを全員でやった。

「自分の中の子ども、インナーチャイルドを出してくれますか?」と呼びかけ、その場の全員で「ギャー!」と叫んでから、「whatever u like」が始まる。しゃがんでからのジャンプ、クラップ、ウェーヴ、そしてまた「ギャー!」と叫ぶ。「全身を使って人生を楽しむ」というメッセージを受け取ったように思った。それを示すように「SHOW ME OUT」ではUMIがキレのあるダンスも披露していた。


Photo by Coliair

最後も瞑想タイムだ。全員が目を閉じてステージに向けて手をパーの形に開く。そして、UMIの「ありがとう」を何度も聴いた。「毎朝起きてくれてありがとう、生きててくれてありがとう、UMIの音楽を見つけてくれてありがとう」。このときばかりは筆者もメモの手を休めて集中していたが、思わず涙が出そうになった。

「楽しかったなぁ〜! これがUMIヴァイブスです。UMIの世界に来てくれてありがとう」と言って笑顔で退場するも、期待に応えてすかさず「もう一曲しましょう!」と再登場。アンコール曲は「Pretty Girl hi!」だ。オーディエンスの掲げるレインボーフラッグを受け取って笑顔で振っていたのも印象的だった。

終演後にオーディエンスの表情を見回してみると、そこには清々しい笑顔ばかりだったが、中には涙する人もいた。UMIは終演後もひょっこりステージに出てきて「ありがとー!」と叫んでいた。


Photo by Coliair

この日、UMIから大事なことをたくさん教わったように思う。「Remember Me」のあとには、「今日みんなが来てくれたのはcoincidence(偶然)じゃなくて意味があるものだよ」という力強いメッセージを届けてくれた。口で言うのは簡単だが、UMIは一人ひとりと密に接するためにメジャーレーベルを辞めてインディーで活動している行動で示すアーティストなのだから本気さが伝わってくる。そして、底なしの陽性ヴァイブスも決して単純なものではない。日米のどちらにもルーツを持つがゆえのアイデンティティの揺らぎに葛藤しながら、その両方を受け入れてきた彼女の歌と表現には、あらゆる聞き手を肯定する多様なグラデーションの美しさが感じられた。UMIの音楽活動の原点は「人生の新しいチャプター」への緊張を解きほぐしてくれたメディテーションとの出会いにあるという。会場には新生活を迎えた人々も多くいたことだろう。こわばった身体をしっとりと解きほぐしてくれるような、かけがえのない一夜だった。

【関連記事】UMIがヒーリングと音楽を掛け合わせる思想的背景、BTS・Vや星野源からの学び




UMI日本ツアーセトリプレイリスト
https://umijp.lnk.to/TTTWTOURSETLISTRS


UMI talking to the wind tour Japan 2024
2024年4月2日(火)東京・恵比寿LIQUIDROOM
2024年4月5日(金)梅田クラブクアトロ
2024年4月7日(日)福岡・BEAT STATION

“A Special Meditation Experience with Umi” in KYOTO
※メディテーションイベント+グループ写真撮影
2024年4月4日(水)京都・両足院

ツアー詳細:https://www.creativeman.co.jp/event/umi24/


UMI
『wherever u r 【Versions】』
配信:https://umijp.lnk.to/whereverurremixRS


UMI
『talking to the wind』
配信リンク:https://umijp.lnk.to/TalkingToTheWindRS

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