AK-69が20年の「時」を語る、ヒップホップという誇りと希望

ー大規模なフェスや単独公演も増え、ラップに挑戦する人口もどんどん増えています。今の日本におけるヒップホップの広がりをどのように見ていらっしゃいますか。

本当にすごく良いかたちで広がっているなと思いますし、これだけ盛り上がっているんだから、ブームで終わってほしくないなと思う。日本のヒップホップって、これまでにも大きくなりそうな瞬間は何回かあった。でも、その度に弾けるようにしてブームが終わっていったようなところもあるんです。なので、ちゃんとカルチャーとして昇華していけたらと思いますね。でも反面、危惧していることもあって。それは、みんなのライブのクオリティ。ヒップホップのコミュニティの中だけで「あいつすげえ」と言い合ったり、求められている場所に行ってヒット曲のライブをしたりすることは簡単なんですよ。でも、自分の曲を全然知らないお客さんをロックできてこそ、素晴らしいミュージシャンだと思う。俺は尾崎豊とかBOØWYとかを見て育った世代で、彼らのライブのビデオを死ぬほど見たんですよ。音源はもちろんだけど、ライブのかっこよさっていうところにも喰らい続けてきたところから音楽を始めたので、ライブのクオリティに対する呼びかけは続けていきたいですね。


―AKさんは、ライブという領域に関しても常に挑戦を続けてこられたと思います。ライブでの臨場感や一体感をもって、AK-69というアーティスト本人の魅力が完結するというか。

いかに生のライブで魅了するか、というところをずっと意識していました。みんなを食らわすための演出とかをずっと考えていましたね。昔はたとえば、福井の人がたまたま名古屋に来て俺のライブを見て、その人が「うちでもやってくれないか」と言って、少しずつ活動出る場所が広がっていったんです。だから、福井に呼ばれた時点では、そこにいるお客さんは俺のことが誰なのかよく分かってないんです。アウェイの場所でどれだけカマすかってことをずっと試されていたので、そういった経験によって鍛えられたという感じはありますよね。

―今は下の世代の台頭も著しく、どんどん若いラッパーが登場してくると思うのですが、年齢を重ねていくことと自分がラッパーとして現役で走り続けるということは、どのように関係していらっしゃいますか?

いや、普通にもう無理でしょ、と思うこともありますよ(笑)。海外にもそんなに例は多くないですよね。たとえばジェイ・Zもコンスタントにアルバムを出しているわけではない。でも、スヌープ・ドッグしかりファレル・ウィリアムスしかり、才能あるラッパーたちって音楽以外の面でも大成しているんですよね。そうした姿を見て学ぶところはあります。こうした言い方が合っているのか分からないですけど、俺には音楽をやり続けていることによって広がった人脈もあるし、自分の音楽を支持してくれる一流の現役アスリートや経営者たちもいる。それによって生まれたコミュニティで起こりうることもあるんです。それって、若いラッパーにはまだ入れない領域なのかなと思いますし、この年齢だからこその説得力もあると思う。ここまで積み上げてきた努力も自負しているので、その領域で圧倒的なことを何かやっていきたいですね。自分の身体なんて、努力の積み重ねでしかないので。

ー現在におけるAKさんのモットーを教えてください。

言葉にするとすごく安っぽく聞こえるかもしれないですけど、”自分以外の人のために”ということですかね。家族に対してもそうですし、聴いてくれるファンやスタッフたち。そういう人たちのために戦っている、という気持ちはあります。スティーブ・ジョブズの言葉じゃないですけど、お金なんてあの世には持っていけないんですよね。でも、俺の曲を聴いて人生が変わったと言ってくれる人がいる。激務の中で、スタッフたちと一緒に「これが俺たちがやってきたことなんだ」と感じることができる。結局、そういう思い出や誇りみたいなものしか墓の中に持っていけねえ、と思うんです。なので、人のために、と思う度合いは変わってきたなと感じます。


ルーズジーンズ: ¥24,200(税込)/ ローライズトランクス: ¥5,500(税込):Calvin Klein

ー昨年は地元である小牧市にスケートパークにランプを寄贈したり、そこでイベントを企画したりなどの活動も話題になりました。地元への社会貢献的な動きは、今後も考えていらっしゃいますか?

そうですね。自分がヒップホップで稼がせてもらって、それを地元の市に還元できたことはとてもありがたいなと思っています。スケートパークで行われた寄贈式の時に、子供達が生き生きとジャンプ台に乗って練習していた様子を見て感銘を受けたんですよ。今はパークの大改修やイベントのプロデュースを含め、ライダーの子供達に少しでも還元できたらなと思ってやらせてもらっています。

―AKさんといえば、その肉体美も進化が止みません。普段、ボディメイキングやご自身の肉体に対してどのように向き合っていらっしゃいますか?

身体のことは、もう20年くらい意識していますね。始めはただ鍛えて、好きなものを食べて、というふうにトレーニングしていたんです。でも、だんだんとライブの前には糖質制限して体重を落としていって、と向き合っていく中で自分の身体に対するリテラシーが上がっていきました。いつでも臨戦態勢に入れるコンディションにしておく方が、結果的に一番ラクなんですよ。今では免疫力や腸内環境といったことも勉強しているんで、風邪も引かないです。

ー今日はナチュラルなデニムを纏ったカット、そしてアンダーウェアのみを身につけたカットにも挑戦していただきました。

最近の自分のファッションは、よりナチュラルになっていますね。車や時計、スニーカーにパンチが効いていたら、それを邪魔しないものを身につけるようにしています。自分のオーラというとおこがましいですけど、本人から滲み出るものを大事にしながらナチュラルに決める、っていう。それでいうと、カルバン・クラインのアイテムは今の自分に一番合ったものなんじゃないかなと思います。アンダーウェアも、普段はカルバン・クラインしか履かないですね。ガイシホールのライブの日も、気合いを入れたくて赤のカルバン・クラインを履いていたくらいですから(笑)。


ローライズトランクス: ¥5,500(税込)Calvin Klein

>>【写真ギャラリー】AK-69が纏う、カルバン・クライン


AK-69
ヒップホップ・アーティスト。これまでに五度の武道館公演を成功させた他、名古屋城や鈴⿅サーキットなどを舞台にした前代未聞の配信ライブにも挑戦してきた。⼒強いリリックが多くのファンの⼼を掴み、プロ野球選⼿の登場曲No.1、横綱 照ノ富士関、ボクシング四階級チャンピオン 井岡一翔選手をはじめ多くのトップアスリートから支持を受ける。
https://ak-69.jp/



AK-69 & ¥ellow Bucks
「AK¥B」at 日本ガイシホール [2024.02.24]
ABEMAにて独占配信中
https://abema.app/Uehb


デニムトラッカー: ¥28,600(税込)
ルーズジーンズ: ¥24,200(税込)
ローライズトランクス: ¥5,500(税込)
衣装協力:Calvin Klein
https://japan.calvinklein.com/


Hair and Make-up = Taichi Yoneo (untitled.)

Photo = Maciej Kucia / Hair and Make-up = Taichi Yoneo (untitled.)

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