カイゴが語る、名曲をリミックス/リメイクする理由、トロピカル・ハウス発祥の裏側

パン・フルートが僕のシグネチャー・サウンド

ー前回の来日は2018年ですよね。

ちょっと時間が経ってしまったね。でもコロナ禍だったから。

ーコロナ禍と言えば、コロナ禍中に雪山でのDJライブを配信しましたよね。

そうだね。コロナ禍のシャットダウンでどこにも行けなくなったから、ずっと自宅にいたんだけど、それはそれで家族と過ごす時間もたっぷりあったから良かったんだ。ただ1年半ぐらい経つとそういう状況にも飽きてきてね。雪山のDJライブは山の頂上でやったんだけど、最高だったよ。みんなを楽しませたい気持ちもあったから。

ーあの雪山はあなたの母国ノルウェーですよね。

そうそう。僕はあの山から車で5~6時間行ったところに住んでるんだ。

ーあの配信を観た時に、あなたの音楽はトロピカル・ハウスと呼ばれているけれど、雪山にも合うんだなと思いました(笑)。

雪山はかなり寒いから全然トロピカルじゃないけどね(笑)。

ーちなみに「トロピカル・ハウス」というワードはどこから出てきたのですか?

僕がトロピカル・ハウスというワードの生みの親じゃないけどね。サウンドがトロピカルで、ビーチとかパームツリーのある環境で聴くのに最高な音楽のことだよ。たぶん僕が音楽を作ってた時、夏を恋しく思ったんだろうね。ノルウェーは寒いから、夏のことばかり考えてるんだ。トロピカル・ハウスはオーストラリアのプロデューサー、トーマス・ジャックが名前を考えたもので、それ以来多くの人がトロピカル・ハウスと呼ぶようになったものだ。

ーあなたがトロピカル・ハウスを打ち出した時は、どのような音楽性を目指しました?

パン・フルートが僕のシグネチャー・サウンドになるね。そこにスティールドラム、ボンゴ、マリンバなんかも入れるから、トロピカルになるんだと思う(笑)。

ー自身のブランドも「Palm Tree Crew」と名づけているぐらいだから、トロピカル好きなんですね。

もちろん。夏が大好きなんだよ。というのも、1年の大半が寒い気候の国に生まれたからだと思うんだ。夏を恋しく思う時間が長いからね(笑)。

ー2020年のバーチャル・フェス、Golden Hour Festivalでは、南の島で暮らすライフスタイルを提唱したアーティスト、故ジミー・バフェットと共演していますよね。

彼はトロピカル・ハウスのゴッドファーザーと呼ばれてるからね。トロピカル・ハウスよりも前に同じようなサウンド、同じようなビジョンを提唱してたし、彼のファンもアロハシャツを着てたりするから、全体のヴァイブスがトロピカルなんだよね。

ージミー・バフェットはMargaritavilleというホテル、バー、レストランも手がけていて、トロピカルをライフスタイルとして提唱しています。Palm Tree Crewでもライフスタイルを提唱していますよね。

そうそう。ジミー・バフェットからは大きなインスピレーションをもらってるよ。このライフスタイルをどこまで広げられるのかは彼から教わったようなものさ。音楽のカタログも膨大な上に、Margaritavilleを展開してるから、自分の世界観を大きく広げたよね。僕もPalm Tree Crewを通じて自分の世界観を広げていきたいし、ジミーからはそれが可能だということを教えてもらったんだ。

ーPalm Tree Crewはどのようなアイデアで始めたのですか?

最初は音楽フェスをやるところから始まったんだ。今はどこまで広げられるのかを考えていて、レストランなどもやってみたい。これから2年ぐらいでいろいろ形にしたいと思ってる。

ー2月にPalm Tree Music Festivalをやりますが、雪山でやりますね。

そうそう。コロラドのアスペンで開催するんだ。昨年もアスペンでやって大成功だったから、今年もやることにしたんだ。トロピカルな音楽だけど雪山にもハマると思うから(笑)。

ーPalm Tree CrewではPUMAとのコラボでゴルフのラインを出していますね。ゴルフは好きなんですか?

大好きだね。コロナ禍の時期に始めたんだけど、コロナ禍はゴルフばかりやってた。日本でもそうみたいだけど、ノルウェーでもゴルフは流行ってるんだ。

ー今回はGMO SONIC出演のための来日ですが、セットリストはどのように決めていますか? 去年6月のストックホルムのロラパルーザでは、ドナ・サマーの「Hot Stuff」が1曲目でした。いつも1曲目はどのように考えているのですか?

時と場所によるね。いつもイントロ、曲のバージョンはいくつか用意してるんだ。GMO SONICはダンス・ミュージックのフェスだし、DJもいろいろ出演するから、アップビートでエネルギーたっぷりの選曲をするつもりだ。ロラパルーザの時はバンドのライブもあったし、音楽もいろいろミックスしてたから、ダンスとライブの間のミックス感を意識した。だから、どこの国でプレイするのか、どんなフェスでプレイするのか、そこが重要になってくるね。自分のヘッドライン・ショーの時は、自分の音楽をプレイするし、楽器演奏も入れてやってる。自分でピアノも演奏するしね。GMO SONICでも、ラストの曲ではピアノを弾くつもりだ。ライブ演奏の要素はなるべく入れたいんだよね。



ーニュー・アルバム以外の2024年のプランは?

アルバムのリリースがあって、フェスにいくつか出演して、2024年の9月からワールドワイドで大きなツアーが始まる。日本でもヘッドライン・ショーをやりたいと思ってる。

ーゴルフ・コースを作ったりはしないのですか?

Palm Tree Crewでやってみたいね! ゴルフコースだけじゃなく、スタジオも作ったりして(笑)。

<INFORMATION>


Kygo | カイゴ
「For Life feat. Zak Abel & Nile Rodgers | フォー・ライフ feat. ザック・エイベル&ナイル・ロジャース」
配信中
●再生・購入リンク:
https://lnk.to/Kygo_FLRS

Tag:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE