ピンク・フロイドのリック・ライトによる12の代表作

Alex Wexelman | 2018/09/23 09:00

| (Photo by Michael Ochs Archives/Getty Images) |


2. 『絵の具箱(原題:Paint Box)』(1967年)

『絵の具箱』は、バンド仲間から“寡黙で引っ込み思案”と言われる男の、音楽的なパーソナリティを垣間見ることのできるレアな楽曲だ。もともとバレット作のシングル『Apples and Oranges』のB面としてリリースされた同曲は、後にコンピレーション・アルバム『ピンク・フロイドの道(原題:Relics)』に収められた。憂鬱でサイケな出来事を歌った曲で、ライトが居心地の悪い酔っ払った夜を思い返しながら「でも俺がいるべき場所は、はるか遠くだった」と歌っている。

3. 『シーソー(原題:See-Saw)』(1968年)

ライトが単独で楽曲の製作者としてクレジットされているのは、ピンク・フロイドの全217曲中わずか10曲しかない。バンド初期のライトは、メイスンが“正にバレット流の哀愁を帯びた曲”と呼ぶ雰囲気の楽曲を好んだ。バンドのセカンド・アルバムで、バレットが参加した最後のアルバム『神秘(原題:A Saucerful of Secrets)』には、その代表的な2曲が収録されている。『シーソー』は、子ども時代の歪んだ至福の時を描いた幻想的なバラードで、ライトがリード・ヴォーカルを務め、ピアノ、ファルフィッサ・オルガン、サキソフォン、メロトロンも弾いた。また、ギルモアとプロデューサーのノーマン・スミスが物憂げなバッキング・ヴォーカルを加えている。

4. 『シシファス組曲(原題:Sysyphus (Parts 1–4))』(1969年)

1960年代後半、順調に活動を続けていたピンク・フロイドは、アルバム『モア(原題:More)』のリリースから5か月も経たず、次のアルバム『ウマグマ(原題:Ummagumma)』を発表した。1969年に入って2枚目のリリースとなる同アルバムは2枚組で、ユニークな発想を基に構成されている。1枚目はライヴ・アルバムで、2枚目には“リアルな音楽”を作りたかったライトの提案により、各メンバーにLP片面の半分ずつを割り当て、4人それぞれのソロ作品を収めた。メンバーひとりひとりが担当した各楽曲は、他のメンバーのサポートなしに仕上げられている。『ウマグマ』のオープニングは『天の支配(原題:Astronomy Domine)』で、2年前にリリースされたデビュー・アルバムの1曲目を飾っている。デビュー・アルバムではバレットがリード・ヴォーカルを務め、ライトが高音のコーラスを担当した。ライヴではライトが主旋律を歌い、ギルモアがコーラスを付けている。『ウマグマ』の各ソロ曲を聴くと、それぞれのメンバーがバンドのエネルギーとサウンドにどのように貢献しているかがわかる。ライトの『シシファス組曲』は、4曲で構成された組曲で、ライト自身は後に“大げさだった”と表現している。オーケストラによる不気味な感じの序曲から、まるでドビュッシーの歌曲のような美しい印象派風のピアノ曲へと続く。作品は最終的に、シュトックハウゼン風の大混乱へと突入するのだが、嵐の前の静けさで、ライトは憂鬱さとノスタルジーを融合する巧みな技を披露した。

Translated by Smokva Tokyo

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