【独占取材】オジー・オズボーンが語る、自分のことを笑えるヤツは強い説

―では、あなたのキャリアのターニングポイントについて教えてください。これまでで最も大きな節目は何ですか?

ブラック・サバスの1stアルバムを出したとき、バーミンガムのとあるバーにいたらマネージャーがやってきて「いい知らせがある。アルバムがUKチャートの17位にランクインしたぞ!」って教えてくれたんだ。ちなみに、それまでは1stシングル「Evil Woman」が朝の5時にラジオで流れたことがあるぐらいだった。

―では、当時はそんな結果はまったく予想していなかったんですか?

そのときは本当に信じられない思いだった。その話を聞いてから、新聞とか音楽雑誌を読んで「おおお~っ!」ってなったことを覚えてる。その後セールスがさらに伸びて、10年もしないうちに俺らはロックスター……でもなんでもいいけど、そんなもんになった。

―すごい話ですよね。

で、当時俺たち4人は酒を飲みすぎていてね。まあ、自分はそのときはまだそれほどのめりこんでいなかったけど……ちなみに、今の妻シャロンは元々俺のマネージャーで、当時からかなり俺を助けてくれたんだ。俺の父親が死んで、ブラック・サバスをクビになり、ソロになって、前妻と離婚し、ランディ・ローズも事故で死んで……もう限界だった。神に祈ったし、本当に信じられなかった……俺には特別な人を見分けられる特別な力があって、そういう意味でランディは本当に特別な人間だったんだよ。彼とはたった2年しか一緒にいなかったけど、一生のことのように感じてるんだ。俺たちは1対1で時を過ごし、彼は「なんだそれ!?」って俺が驚くようなギターをいつも弾いてくれた。彼は常に自分自身を更新していたんだよ。他にも多くのターニングポイントがあるけど、ランディ・ローズが死んだときのことは特によく覚えてる。

―当時、彼の死とはどう向き合ったんでしょうか?

シャロンには「もうこれ以上は無理だ」って言ってたな。俺の心はもうズタズタに引き裂かれてたから。でも彼女は「続けなさい。私たちは止まらない」って言ってさ。俺は「俺を見てくれ! これは本当に悪夢だ。悪い夢だよ!」って感じだったんだけど、結局妻が正しかった。もし、彼女が励ましてくれなかったら俺は何も成し遂げることはできなかった。あのときで終わってた。今、シャロンと俺は決して止まらない。前進し続ける。

―あなたはとても強い心を持っているんですね。

いや、シャロンがいなかったら今頃生きてはなかっただろうね。彼女は「飲みすぎないで、ドラッグは止めて、タバコも止めて」と言って、実際それを俺に実行させた。俺一人だったら絶対無理だったよ。彼女は偉大なマネージャーだし、彼女のおかげで俺はまともでいられるんだ。


Photo by Yuri Hasegawa

―成功した男性の影には偉大な女性がいるとよく言われますよね。あなたは自分自身の人間性についてどう感じてますか?

結局のところ、自分のことを笑えるかどうかというのがすべて。以前TVショーに出てた頃、ジャックっていうスタッフが「人々があなたのことを笑うのと、あなたとみんなが一緒に笑うのだったらどっちがいい?」って聞いてきたんだけど、俺は「ジャック、彼らが笑っている限り、それが俺のことであろうと俺と一緒に笑っていようとどっちでもかまわないよ」って答えたんだ。人は笑うものだし、みんなには泣くよりも笑っていてもらいたいね。

Translated by Beverly Eri

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