【独占取材】オジー・オズボーンが語る、自分のことを笑えるヤツは強い説

―では、ソロツアーの話に戻りましょう。ブラック・サバスのツアーを昨年2月に終えて、あまり間を空けずにソロツアーをスタートしました。これには何か理由があるんでしょうか?

もう自分も若いわけではないからね。時は本当に早く過ぎ去っていくよ……ブラック・サバスは終わってよかったと思ってる。もちろん、とても悲しくも感じるけどね。サバスは自分にとってスタートだったし、すべてを作ってくれたものだから。俺たちの地元UKのバーミンガムで最後の公演をしたときは悲しかったよ。ステージに立ちながら「1968年に始めたブラック・サバスの最後のツアーをバーミンガムで締めることになるとは思ってもみなかったな……」と思った。これは離婚みたいなものだよ。再び一緒に住みたくはないけど、楽しかったときのことは覚えているからさ。

―ああ、とてもわかりやすいです。

ブラック・サバスのツアーが終わったあと、「これですべて終わり」とは言いたくなかった。でも、当時はまだ自分がそのあとに何をしたいのか分からなかったんだ。自分のキャリアを続けていくのか、ストップするのか。

―そうだったんですね。

自分が生きていくためにやっていることは普通の仕事とは違う。いったん休んで、カッと一杯やって、また職場に戻るっていうようなことではない。自分の人生にとってロックンロールは最大のロマンスなんだよ。お金は入ってくる。欲しいものすべてを買うことができる。そして、人々を幸せにする。これはとても難しくて、とても短命なもの。まるで樽に入れられて丘の上から転がされるようなもので、自分はただそこにしがみついてるだけ。だから、ここまでなんとか生き残ってはいるけど、これは稀なケースだよ……俺は俺の道を行き、彼らは彼らの道を行った。でも、結局のところ俺たちは友だちなんだ。

―もう一度ブラック・サバスで彼らと演奏することはあると思いますか?

(即答で)いや、ないね。

―人生には様々なターニングポイントがありますが、これもあなたにとって大きなターニングポイントの一つになりますね。

そうだな。ブラック・サバスを始める前、俺らはただのキッズでさ、労働者階級出身の4人の男にとって、プラチナディスクと車を手に入れることなんて想像できなかった。本当に一度も想像してなかった。俺は素晴らしい人生を送ったし、いつ終わりがきてもいい。もう何も不満はないよ。人生で本当に大きなパーティを楽しんだからさ。

―そしてパーティはまだ続くわけですね。

そうだね。


Photo by Yuri Hasegawa

―ソロツアーが終わったあと、ファンは何を期待したらいいでしょうか?

自分はもうツアーにこだわりはないし、少しスピードを落とす時期だと思う。音楽はまだ作り続けるけど、もう70歳。今でも21歳の頃と同じことをやってるけど、LAから東京へのフライトはさすがに長いね。だから、今は家や家族からあまり離れたくない。妻も俺と一緒に同じ距離を移動するわけだし。

Translated by Beverly Eri

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