ローマ法王が認めたバチカンのタブー、修道女への性的虐待

ローマ教皇フランシスコが最近の教会内のタブーについて語った。(Photo by Francois Nel/Getty Images)

現地時間先週、第266代ローマ教皇フランシスコは、ローマカトリック教会の司祭や神父による修道女の性的虐待について初めて公式見解を出した。

2018年、バチカンはAP通信が行った調査結果に対してのコメントを拒否していた。このAP通信の調査では、ヨーロッパ、アフリカ、南米、アジアの修道女たちが教会の聖職者たちから性的虐待を受けていても、地元の教会もバチカンも無視を決め込んでいることが明らかになった。

しかし、ワシントン・ポスト紙によると、バチカンの女性雑誌ウィメン・チャーチ・ワールド誌に先週掲載された記事では、この虐待を「女性に対する迫害」の一つと非難している。そして、ローマカトリック教会の女性関係者はすべて、教会ヒエラルキーで二流の存在と見なされ、「バチカンがその事実に目を背け続けるかぎり」今後も何も変わらないだろうと結んでいる。

ロイター通信によると、この記事についてたずねられたローマ教皇は次のように答えた。「それは真実です。(中略)これまで複数の神父が、そして複数の司祭までもがこれを行っていました。それに気づいていながらも何もしていない状況のため、これは未だに続いていると思います。(中略)『私の家でそんなことは起きていない』とは言えません。本当のことですから。私たちは何かをすべきか?とたずねられたら、答えはイエスです。何かをする気があるのか?と聞かれたら、この答えもイエスです」

フランシスコ教皇は修道女への性的虐待が今でも継続している問題だと認識している一方で、この問題は「教皇庁の特定の省、特に新しい省」に関連しており、教会側は「対策を講じようとしている」と主張した。

「これは私たちが歩いてきた道です」とフランシスコ教皇。これまでも一定数の聖職者たちが停職になったと述べ、前任者ベネディクト教皇が「勇気を持ってあるレベルの、つまり奴隷的で、ある意味で聖職者や教会創設者の性奴隷と呼べる女性がいる集団を解散させました」と、事実を認識していることに言及している。

バチカンの報道担当局のアレッサンドロ・ジソッティがニューヨーク・タイムズ紙に語ったところによると、フランシスコ教皇が言っている集団とはコミュニティ・オブ・セイント・ジャンのことで、フランスを拠点としていたこの教会は2005年に解散させられた。しかし、多くの女性たちがカトリック神父たちによって「純潔を汚される」扱いを受けていた。コミュニティ・オブ・セイント・ジャンがこの事実を公表したのは、解散から8年後の2013年だった。

ウィメン・チャーチ・ワールド誌の編集長ルシッタ・スカラフィアによると、このスキャンダルでは「性的虐待の結果として女性が妊娠し、神父が自分の子どもだと認めない子を宿した妊婦が強制的に堕胎させられるようになった」という最悪の状況まで露呈し、熱心に堕胎反対を唱えるカトリック教会としてはあるまじき行為と言わざるを得ない。

AP通信とウィメン・チャーチ・ワールド誌が報じたところでは、まん延する一方の神父による子どもへの性的虐待スキャンダルが発覚して、その実態を教会が認めざるを得ない状況になった後でも、被害者の多くが個人的または自分が所属する集団への報復を恐れて被害を報告できない状態だという。

「神父だけでなく司祭も巨大な権力を持っている。それは一人の修道女だけでなく集団の全員に及ぶ」とスカラフィアがAP通信に語った。そして「そのため、虐待を受けた修道女が上司に被害を報告したとしても、彼女が言われることは『心にしまっておきなさい。口外したら私たち全員が司祭に目の敵にされるのだから』だ」と説明した。

今回虐待を告発したシスターたちは、昨今のMeToo運動と、もっと力を得ようとして教会内の女性関係者が立ち上がって起こした運動によって社会的な力を得ていると、スカラフィアが続けた。

Translated by Miki Nakayama

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