TENDRE、iri、VIDEOTAPEMUSICらが出演「Scramble Fes 2019」レポート

イベントを締めくくったTENDREの官能的なアンサンブル

いよいよ本イベントもラストスパート。サブステージに登場したのは、福岡を拠点に活動する20歳のラッパー、クボタカイ。今年3月に限定発売したEP「305」からの「Wakakusa Night」は、柔らかなトラックに乗せたエモーショナルなリリックが印象的なトラック。プレッピーなファッションに身を包んだ彼が、キレの良いステップを踏みながらピュアな声でラップをすると、彼と同世代くらいの女性ファンたちがうっとりと見入っている。ギターのジャングリーなカッティングをフィーチャーした「せいかつ」、もったりとしたブレイクビーツが印象的な「春に微熱」、そして12月にリリースするアルバムから、今回初めてライブで披露するキックの低音が凄まじい「真冬のショウウィンドウ」など、一筋縄のいかないトラックを次々と繰り出していく。最初こそ若干緊張していたようだったが、オーディエンスの温かいリアクションに支えられたクボタ。「ずっとここにいたいです。今日はありがとうございました」と挨拶し、最後は「ベッドタイムキャンディー2号」を披露した。


クボタカイ(Courtesy of Scramble Fes)

サウンド・チェックの時から「ガチ」の演奏で会場を大いに盛り上げていたTENDREこと河原太朗。本番になり、ミラーボールが煌びやかな光を会場内に振り撒く中、まずは最新ミニアルバム『IN SIGHT』の冒頭を飾る「SIGN」からライブをスタート。サポートメンバーは、ドラムにLUCKY TAPESのライブでもお馴染みの松浦大樹、ベースにCHARAのサポートでも知られる無礼メンの高木祥太、サックス&キーボードにCRCK/LCKSの小西遼、そしてキーボードにTempalayの紅一点AAAMYYYといういつもの布陣だ。タイトなドラム、ファンキーなベースの上で河原のボーカルと、小西のサックスが掛け合いながら、じわじわと会場を温めていく。小西のボコーダー・ボイスとAAAMYYYのウィスパーボイスが官能的に絡み合う「Night & Day」、どこか郷愁を誘う美しいメロディの「SELF」、そしてダイナミックなキメがライブ映えする「DOCUMENT」と、綿密なアレンジによるバラエティ豊かな楽曲が次々と演奏された。さらに「HANASHI」では、フロアから自然発生的にハンドクラップが。小西によるエモーショナルなサックス・ソロのあと、河原が歌詞を“渋谷で話したいの スクランブルフェスで!”と、本フェス用にアレンジすると会場からは歓喜の声が。そして最後はライブの定番曲「RIDE」でフロアを大いに盛り上げ、「Scramble Fes 2019」は無事に幕を閉じた。


TENDRE(Courtesy of Scramble Fes)

来年の東京オリンピックパラリンピックに向け、日々様相を変えていく渋谷。この日ここに集まった6組のアーティストたちが、今後どのような進化を遂げていくのか。今から楽しみだ。

Tag:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE