クリス・コーネルの娘が語るメンタルヘルス「きっと父なら、私の弱さを誇りに思ってくれる」

アリス・イン・チェインズの「ドント・フォロー」を選んだ理由

ーメンタルヘルスの悩みを当たり前のように口にできるようになるには、社会は具体的にどう変われっていけばいいでしょう?

個人的レベルで言えば、まずは身近な人や、まだ病気について打ち明けていない周りの人と話をするのが第一歩ね。ブラケット博士との回では、社会的レベルで感情的知能や意識改善を推し進めることについて話しあった。博士が起こそうとしている感情面での改革のひとつでもあるの。(変化は)日々、個人レベルで起こしていかなくちゃいけない。身近な範囲で人に打ち明け、自分の気持ちに正直にならなくちゃ。でも、政府や学校など、構造的・組織的レベルでも感情的知能を広めていかないと。この国の政府を見る限り、まったく広まっていないわね(笑)

ー番組のオープニング曲はアリス・イン・チェインズの「ドント・フォロー」ですが、この曲を選んだ理由は何ですか?

何人かにオープニング曲を作ってもらったんだけど、どれもしっくりこなかったの。そしたら母(アリス・イン・チェインズのマネージャーを務めるスーザン・シルヴァー)がこう言ったの、「ねえ、アリスの曲なんかどう?」 それでふと考えて、『ジャー・オブ・フライズ』の「ドント・フォロー」が最初に頭に浮かんだ。「あら、なかなかイイじゃない」って思って。あの当時、レイン・ステイリーも精神疾患と薬物中毒に悩んでいたの。彼らからはものすごくいろんなことを学んだわ。そういう意味でも、私にとってものすごく思い入れがある曲だったの。強さや精神力、スタミナ、悲嘆や喪失感を乗り越えるという意味でもね。



ージェリー・カントレルは番組を応援してくれましたか?

ちょっとだけ話はしたわ。ジェリーとかマット・キャメロン)サウンドガーデンとパール・ジャムのドラマー)、マイク・イネス(アリス・イン・チェインズのベーシスト)、ショーン・キニー(アリス・イン・チェインズのドラマー)といった人が応援してくれている。みんな私にとっては父親代わり。叔父のような存在ね。私がやることはなんでも応援してくれる人たちよ。これまでも、いろいろお世話になったわ。

ー『Mind Wide Open』の初回のエピソードと同じ質問で締めくくりましょう。最近、希望を持てたのはどんなことですか?

初回エピソードに対する反応かしら。大勢の人たちがこう言ってくれたの。「心の病気をたくさん抱えていて、どう話したらいいか分からなかったんです」とか「娘が苦しんでいます」とか「ご近所さんが病気なんですが、今回のエピソードで会話のヒントを教えていただきました」とか。うれしくて、文字通り胸がいっぱいになったわ。他の人たちに励ましと希望をもたらすことができたことで、私自身もたくさん希望が持てた。対話のきっかけが生まれたの。私もたくさんの希望をいただいたわ。

【画像】クリス・コーネルは52歳で逝去:早すぎる死を遂げた、音楽史に残る偉人名鑑(写真32点)

from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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