山本彩、配信ライブ「LIVE TOUR 2020 ~ α ~」アンコールで新曲初披露も

「サードマン」をしっかりと歌いきり、MCでファンへの思いを実直に語ったあとは、「追憶の光」「月影」「TRUE BLUE」「Weeeekend☆」「Let’s go crazy」「レインボーローズ」の6曲を立て続けに披露。ミディアムバラードから疾走感のあるロックチューン、軽快なポップナンバーまで、曲ごとに表情を変化させながら、彼女の音楽の大きな魅力の1つである多様性を存分に見せてくれた。そして、この日3度目のMCに続く本編ラストソングは、“今あなたは笑えていますか”という歌い出しで幕を開け、“耐えることに慣れないでいて”、“想い合って赦されていく”、“愛を歌おう 生きとし生ける 全てのものと共に”と歌われるバラード「Larimar」。「サードマン」同様、今の状況を踏まえて書かれた歌ではまったくないのだが、世界中の人々が現在直面している問題への強いメッセージになったのは間違いない。

本編終了後は、ファンから集まった鳴り止まない声と拍手、そして配信サイト上に流れ続ける「さやかー!」「さーやーかー!」というコメントに応えるように、アンコールがスタートした。EN1曲目に山本の代表曲でありライブの定番曲「JOKER」を披露したあと、待っていたのはこの日最大のサプライズだ。その内容は、EN2曲目で初披露の新曲「愛なんていらない」を歌うこと、そしてその「愛なんていらない」がモスバーガーのCMソングに起用されること。今年3月にツイートした「モスバーガーの略称は、“モスバ”説」がバズった山本だが、その“事件”がまさかのCMソングという形で実を結んだのだ。初披露された「愛なんていらない」は、語りかけるようなボーカルで“今を生きていくんだ”という想いを伝える、力強いロッカバラード。彼女の歌声が持つ、“陰り”と“温かみ”の両面がじんわりと沁み込んでくるナンバーだ。アンコールのラストは、「JOKER」と同様にライブの定番である「Are you ready?」。最後の最後に、“準備はいいかい?”というタイトルのアグレッシブな楽曲を歌ったことが、向かい風が吹く音楽シーンが待ちわびる新しい未来に向けた、彼女なりのエールのように感じられた。


Photo by 半田安政

ライブが終了後は、ライブを視聴したファンからの質問に答えたり、バンドメンバーたちとの気心が知れたやりとりを、打ち上げ的アフタートークとして配信。ビールなどで乾杯し、リラックスした笑顔を見せてくれたが、こうした姿をライブ直後に見ることができるのも、配信ライブならではの面白みの1つだろう。配信終了後、アンコールを終えてステージにたった1人残った山本彩が「20代のうちにアリーナ(クラスの会場)に(ワンマンライブで)立ちたい」という夢を言葉にした光景を思い出した。その夢は、きっと実現する。決して奇をてらうことなく、音楽そのもの、歌そのものが持つ力で真っ向から今に向き合ったこの日のライブを見て、たしかにそう思った。



<ライブ情報>

山本彩
「山本彩 LIVE TOUR 2020 ~ α ~」

2020年8月28日(金)
時間:18時開場 / 18時半開演

=セットリスト=
1. イチリンソウ
2. 棘
3. 喝采
4. unreachable
5. 雪恋
6. 君とフィルムカメラ
7. Homeward
8. feel the night
9. stay free
10. サードマン
11. 追憶の光
12. 月影
13. TRUE BLUE
14. Weeeekend☆
15. Let’s go crazy
16. レインボーローズ
17. Larimar

EN1. JOKER
EN2. 愛なんていらない
EN3. Are you ready?

山本彩 公式HP:http://yamamotosayaka.jp/

Rolling Stone Japan 編集部

Tag:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE