氷室京介の充実期、1990年代後半の作品を振り返る



田家:この曲で思い出されることは?

臼井:アルバムのタイトルチューンなので、このアルバム全体に色々な要素が詰め込まれていることがタイトルに由来していると思うんです。自分に足りないものや欠けている物を探しつづけるアルバムで、タイトルもそういうイメージだったんじゃないかなと思います。詳しくは本人じゃないと分かりませんが。

田家:作詞家の松井五郎さんと話をしていて、最後の一遍を探す旅に出る絵本というのがタイトルになったと聞いたことがありますね。

臼井:たぶんそうだと思います。曲としてもすごくいいですし、私はこのアルバムの中でもすごく好きな曲です。

田家:ロサンゼルスやニューヨークでもレコーディングして、とても時間がかかって大変だったんですよね?

臼井:ですね。ただ、それが『MISSING PIECE』というアルバムなんじゃないかと思います。一箇所でイメージが固定して作ったアルバムと違って、日本やロサンゼルスなど色々なもの探しながらレコーディングしてミックスしていったので。チャレンジしたアルバムというか、結果的には大作だと思うんです。

田家:レコーディングには、A&Rとして現地に行ったりしたんですか?

臼井:氷室さんが移籍してくる時に、ビートニクスという原盤制作をする会社というイメージだったんです。我々は新たなレーベルで、制作をしている氷室さんのバックアップをする。宣伝・販促を中心にバックアップしていくイメージをしていたので肝心なところだけ顔を出して連絡して、全体像の打ち合わせは必ず氷室さんとするっていう感じでしたね。

田家:そういう関わり方、関係のアーティストって当時の日本ではかなり珍しかったですよね。続いて、このアルバムの中で臼井さんが選ばれたのはアルバム最後の曲「NAKED KING ON THE BLIND HORSE」。

Rolling Stone Japan 編集部

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