Mr.Childrenの「読むベストアルバム」と共に30年の軌跡を振り返る



続いて第五章のタイトルになった曲「口笛」、2000年1月のシングル、同年9月に発売になったアルバム『Q』にも収録されています。アルバム『Q』ではメンバーが潜水士の格好をしていました、深海から浮上したんですね。

この「口笛」の章は1999年から2000年で、こんな風に始まっております。「2000年を控え、Mr.Childrenは自由度を増していく」。この第五章のテーマは反抗と自由というテーマにも集約できる、と言えそうです。1999年の『DISCOVERY』は決めごとなしで作り始めたアルバムだった、自由ですね。反抗という言葉は113ページに出てくるのですが、「ツアー中の桜井は反抗期でもあった。何に対しての反抗か? Mr.Childrenというバンドに対してである」こういう時期があったんですね。思い当たることがありました。桜井さんがツアー中にメンバーとは別に東京に帰ってきたり、バンドの中でも別行動を取っていた。ライブに積極的ではない時期。『DISCOVERY』のツアーの時期には、照明を僕に当てないでほしいと言っていたこともありましたね。小貫さんはずっと側で見ていた人ですし、それをどう解決したかというのも興味深いです。

そして、1999年から2000年のアルバム『Q』のニューヨークでのレコーディング、これが自由ということの一つのエピソードになっているんですが、なんと曲のBPMをダーツで決めていた。ダーツの的に数字が書いてあって、メンバーがそこに矢を投げてその数字のテンポで演奏していって、そこから曲が生まれていくという話もありました。反抗と自由がバンドの中でどう解消されていったのか? それがこの章ですね。「口笛」は極寒のニューヨークで生まれました。この章の締めくくりには、「『DISCOVERY』と『Q』に二作は、彼らが本能のまま制作した作品集だ」と書かれています。続いて、第六章のタイトル曲「HERO」。

Rolling Stone Japan 編集部

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