拷問以上の地獄 米刑務所で大問題になった「恐怖の独房」

独房で過ごした12年間

「弟はひどい拷問を受けていました」とダンさんは目に涙を浮かべながらこう言った。「彼らは弟を殴っていたんです。身体中に痣がありました。反応がないと、ペッパースプレーをかけられ、殴られました。彼らは文字通り、弟が虐げられ、死んでいくのを何もせず見ていたんです」。母親は精神病棟に入院した。「それどころか母も殺した。母親はとても苦しんでいます」

「残酷です、弟を排泄物の中で死なせ、こんな苦しみを味合わせるなんて」と、ダンさんは弟についてこう語った。

独房で生き延びること自体も残酷なケースがある。ダニエル・ヘンリー受刑囚は独房で10年以上過ごした。本人いわく、二度と出てこれないと言われたそうだ。「イオニア矯正施設での独房生活は長い12年間だった。その間、人間の暗い一面をいやというほど思い知った。責任追及や監視がゆきとどかないと、人間はこれほど残酷になれるんだ」と、ウィリアムズ氏に宛てた手紙の中でヘンリー受刑囚はこう書いている。「自分のこともよく分かった。ここやここ以外で出会った大勢の人たちから、隣にいる人間の痛みや苦しみに同調することを学んだ」

「他の国々では、アメリカのように独房を採用していない。ましてや、市民をこんなに長期間収監したりしない。将来、刑事司法制度の外で暮らす希望は事実上奪われた」とヘンリー受刑囚は付け加えた。

彼を含む他の囚人は、約50年独房生活を送っているリチャード・ゴダール受刑囚を心配している。「あの男は、俺が今まであった中でもっとも親切で、優しくて、腰の低い人間だ。明らかに、彼がこれ以上自分自身やミシガン州矯正局に迷惑をかけることはない」とヘンリー受刑囚は言う。「どうやら奴らは、俺たちを狭い空間に何年も閉じ込めるだけじゃ飽き足らず、できるだけ苦しめたいようだ」

ウィリアムズ氏は刑務所内の状況に対する怒りを行動に変えてほしい、と考えている。WEBサイトには「Take Action(行動を起こそう)」というページがあり、彼らの体験談を広めたり、ミシガン州のグレッチェン・ウィットマー州知事をはじめとする政治家に働きかけたりするよう呼びかけている。

「民衆からの圧力で、ミシガン州矯正局も大問題が起きていること認め、改善に腰を上げるだろうと期待しています」と彼女はローリングストーン誌に語った。

彼女は議員たちに、行動を起こさなかったがゆえの惨状を実際に自分の目で見てほしい、と願っている。「議員の皆さんには7月か8月に刑務所を訪問していただきたいですね。室内の温度が37度を超える中、独房の中に入って扉を閉め、どのぐらい耐えられるか試してみてほしいです」

【関連記事】米国最大の女子刑務所、その実態をレポート

from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE