ASKAが語る、CHAGE and ASKAのハーモニーの秘密

ハーモニーへのこだわり

―そして、7月14日にシングル「笑って歩こうよ」が発売されます。ハーモニーが印象的な曲ですが、ASKAさんと言うと、チャゲアスも含めて“ハーモニーソングの達人”のイメージがありますが、それはいつから始まったんですか?

「恋人はワイン色」からですね。プロデューサーがすごく優秀な人だったんです。さっき言った「男と女」の人です。どうして僕らのハーモニーは単純なんだろう?っていうことを話したことがあるんです。それに対してなんで海外のミュージシャンのハーモニーっていうのは音楽的にスマートに聴こえるんだろう?と。そしたら海外のミュージシャンのコーラスは音階をぶつけてるからなんだよと。“ぶつけてる”っていう意味を教えてくださいって言って、その意味を教えてもらったんです。専門的になるからここでは割愛しますが、それは今まで僕が気がつかなかったことでした。もちろん先輩のシンガーたちは皆んな気がついていましたけど、そこまで僕は無知だった。それからハーモニーにこだわりだしました。ペダルハーモニーっていうのがあって、コードトーンに乗せるハーモニーのやり方あるんですけど、サイモン&ガーファンクルみたいに、一個一個のハーモニーがメロディになってるっていうのを僕は自分の曲の売りにしたかったんです。そこからそういうことをやるようになりました。



―“ハーモニーがメロディになっている”っていうのがまさにASKAさんですよね。

それはすごく意識しています。

―「笑って歩こうよ」は歌詞の内容は色々な解釈ができなくもないんですが……。

恋愛の切れ端も見えるし、人生のある種ブリッジ的な潜り抜けるところも見えるし。でもなんだかんだあっても、人は色々言うけど、何を言われても笑って歩こうよっていうことが最後言いたかったんです。だって直接出会う人じゃない人の方が圧倒的に多いわけで。その人たちは媒体を通してしか僕を知らないわけです。おおよそ僕が言いたことはなかなか伝わらないですよ。僕が見て欲しいことはなかなか見てくれない。だけどそれが世の中なので。自分のことを分かってくれる人たちの中で暮らしていけばいいと思ってますしね。でも言う人は何とでも言いますから。そこにいちいち何だかんだ言う必要はなくて、僕のスタイルは音楽活動で見せていけばいいだけなので。笑って歩いていこうよって、ある種誰もが持っていなきゃいけないことだと思うんですよね。何を言われてもいいじゃん、自分さえしっかりしていれば。笑い飛ばそうよって。でもそれがなかなか難しい。なかなか笑って返すことは難しい。だから僕の作品っていうのは、その人を投影しているんじゃなくて、僕の想像が作品になっているのも多いですね。もちろん、そのままの自分を書いた曲も多い。よく作品に僕を投影して、ASKAってこういう人なんだって思ってる人がいます。僕は素直に言います、違う、これは僕じゃないと。確かに僕の体験があるだろうけど、こんなことがあっても、こういう人でありたいっていうのが作品なんだって。

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