NOISEMAKERが語る、コロナ禍で生まれた分断へのメッセージ、DIYでバンドを続ける意義

NOISEMAKER:左から、UTA(Dr)、AG(Vo)、HIDE(Gt)、YU-KI(Ba)

NOISEMAKERが、この夏デジタルシングル「APEX」をリリースした。

前作のミニアルバム『H.U.E.』から約1年振りとなる今作は、コロナ禍で理不尽な荒波に苛まれている身近な居酒屋の店主、ライブハウス、医療従事者その他、どうしようない怒りや悲しみ、理不尽に膝をついてしまっている人たちが、もう一度立ち上がる気力が湧き上がる想いが込められた楽曲となっている。

そんなNOISEMAKERのAG(Vo)とHIDE(Gt)にサウンドアプローチや作詞。さらにはアートワークまでDIYで制作し続ける彼らだからこその話を訊いた。

―NOISEMAKERの過去曲をいろいろ聴いていて、ラウドなバンドが持っている普遍的な要素というよりは、現在進行形で変わっていく音楽だなと感じました。それを踏まえて聞かせていただきたいのですが、まず今回のシングル「APEX」ではサウンド面はどういうものにしたかったんですか?

HIDE:何曲か録る予定だったんですけど、その中で今アルバムを出すより、1曲1曲を大事にしたいなという気持ちがありました。12曲入りのアルバムが出ても、12曲目が好きで、サブスクリプションでその曲だけ登録していたりする場合もあるじゃないですか。CDにするときはシングル=もう1曲書かないといけない謎の空気感がありますよね。デジタルだと、無理してもう1曲書く必要もないし、書ければ書けばいいしと思って、今回は1曲に全部集中させたいので、「APEX」という曲になりました。

AG:サウンド面は?

HIDE:サウンド面は僕の中ではラウドというのはあまりなくて。昔に比べたら、どんどんチューニングが上がっているし、少し大きいビート感になっている。歌もポップス要素、メロディが重視になっていて、リズムもごちゃごちゃしない。楽器も全部必要最低限でやっています。聴いていったら、ここは歌が主人公、ここはギターが主人公、ここはリズムが主人公って、パズルにして一応作っていて、どんどんオールドなサウンドにしたいなと思ってるんです。プラス、エレクトロ要素もあって。音を意識して、昔のミュージシャンが培ってきたサウンドと、これから培っていくであろう未来のサウンドをエレクトロと融合させたら、今回こういう作品ができた感じですね。



ーHIDEさんはDTM的な作曲方法で言うと、You Tubeなどで公開されているようなヒップホップのトラックの作り方とか、今まで見たことのないような作り方を見たりして、新しい発見を自分の中に取り入れたりしますか

HIDE:もちろんあります。僕とAGはいろいろなジャンルを聴くので、「こんなプラグイン出たよ」とか、たまに映像を一緒に観て「おもしろいね」って話したりします。

AG:ヒップホップがおもしろいなと思うのは、すごくお金がかかったスタジオじゃなくても、ベッドがある部屋で作っちゃうみたいなところです。即席じゃないけど、パソコンが1台あればいいみたいな。トラヴィス・スコットも、もはやスタジオに行くよりも、部屋で録った方がいいって言ってますしね。

HIDE:今回もギターは家で1人でパパっと30分ぐらいで録りました(笑)。

AG:ヴォーカルのメロディとリズムはヒップホップシーンからすごく影響を受けているんですよね。ラッパーがリアーナとか、女性シンガーとコラボしたときのサビにフックで来る、ロックシンガーがつけないようなメロディがすごく好きなんです。R&Bも好きで影響を受けているんですけど、それをバンドでやろうとすると、大抵バックはメタルコアやジェント、トラック中心のサウンドになってしまうアーティストが多い。それとは違ったもっと新しい音を2人で常に探してて、ブルースのルーツもあるから、ジミヘンみたいな音でやったら、まず聴いたことない新しい音楽になるんじゃないかなという話になって。

HIDE:ヒップホップやR&Bとか、そういうメロディ、譜割りを考えていくと、自ずと後ろのリズムも決まっていくんですよね。やっぱり意味があってそのリズムになっているし、そのメロディになっているので、単純になんでもかんでもくっつければいいというものでもない。2つ合わせておいしくなるものもあるし、合わせるとまずくなるものもある。そういうことを何回もやって最後に生き残った1曲が「APEX」です。

ーディテールにはこだわりましたか?

HIDE:そうですね。これを聴いて「ジャンルは何?」と訊かれたときに、「なんだろう?」ってなるのが1番いいなと思ったんです。

ーそういう意味では、NOISEMAKERらしさが濃縮されたものになったんですね。

HIDE:そうですね。今インターネットで何かを伝える時代になっているじゃないですか。俺らは自分たちでレコーディングしたり、いろいろできるので「APEX」の歌なしのトラック、各楽器なしのトラックをバッとネット上にあげて、「ちょっと弾いてみ? 歌ってみ?」とか、そういう遊び心があってもいいのかなと思います。試験的にこの前からやってみているのですが、NOISEMAKERの曲を弾いてくれたり、歌ってくれてる人も結構いるんです。

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