リンダ・リンダズと日本のつながり―リンダ・リンダズというバンド名は、エロイーズさんの父親のマーティンさんが買ったDVDで映画『リンダ リンダ リンダ』を観て、ブルーハーツの「リンダリンダ」を知って名付けたとのことですが、そもそもどうやってこの映画に辿り着いたのですか? やっぱり国際的に有名な女優のペ・ドゥナが主要キャストだったからですか?エロイーズ:ペ・ドゥナはみんな大好きで。たまたま家にあの映画のDVDが転がっていて、みんなでバンド名を考えていた頃に、「こんな映画がある! しかもタイトルが最高にかっこいい! しかもブルーハーツというバンドの曲が由来になっているなんて! なんてクールなの!」ってなったの。全てにおいて、みんなが納得する名前だったわけ。
ルシア:映画のストーリーも凄くよかった。日本語を話さない一人の生徒と、韓国語を話さない女子高生達がいきなりバンドを始めようって。音楽が言葉の壁を超えて人を結びつける、という。何もないところから、「この曲をやってみよう」って彼女達が思い立ってバンドを始めるのを観て、凄く共感できた。状況は全く同じというわけじゃないけど、自分達とも似ているところがあると思った。
―みなさんも「リンダリンダ」をカバーしてますよね。初めてあの曲を聴いた時にどんな感想を抱きました? エロイーズ:ワオ! これってマジでクールな曲じゃない!?ってなった。
ルシア:歌詞の内容は全然分からなかったけど、とにかく楽しそうだし、エネルギッシュなサウンドに惹かれた。
エロイーズ:で、あとで歌詞を調べてみたら、それもクールだった。
ルシア:ドブネズミについて歌っているんでしょ?
―ドブネズミにも美しさがある、という内容です。ルシア:最高のメッセージね。
―『リンダ リンダ リンダ』以外に好きなロック映画はありますか?エロイーズ:『ザ・デクライン』。もちろん、『モキシー』も。あとは『ロックンロール・ハイスクール』とか。
ルシア:『ウィ・アー・ザ・ベスト!』という映画があるんだけど……。
―『ウィ・アー・ザ・ベスト!』、最高のパンク映画ですよね! 私も大好きです!ルシア:あれは笑えて面白かった。他に何があったかな……。
ベラ:みんなで一緒に観たのあったよね。『すべてをあなたに』だっけ。
エロイーズ:最近、ディズニープラスでやってる『ザ・ビートルズ:Get Back』を観たんだけど、めちゃくちゃ長かった(笑)。でも、曲を作る過程が見れたのは、超クールだった。
ルシア:ゴーゴーズのドキュメンタリー映画(『The Go-Go’s』)も凄くよかった。
―私は『The Go-Go’s』を観て、ハッピーなヴァイブスに溢れていた彼女達が実はドラッグ漬けだったと知ってショックを受けたんですよ。パンク、ロックンロールは多くの問題を抱えてきた負の歴史もあるわけですが、自分達が愛する音楽のそういった側面についてはどんな風に考えていますか?エロイーズ:自分達は、そういう道には走らないように気を付けてる。
ルシア:念の為はっきりさせておくけど、私達は一切ドラッグはやっていません!
ベラ:そういう問題は音楽に限らず存在しているわけだし、音楽においても、たまたま本人が吐け口としてそれを選んだ、というだけで。別に音楽に限った話じゃないと思う。
ルシア:ロックンロールはただの音楽(It’s just Rock ’n’ Roll)。だからロックンロールが悪いわけじゃない。私達は自分達の音楽をやるだけで、そういうことは考えてない。
ベラ:時代も違うしね。
Photo by Zen Sekizawa―8月にSUMMER SONICでの来日が決まっています。日本でやりたいこと、会いたい人や来日についての思いを聞かせてください。ベラ:私は日本のものが何でも大好きで、日本のデザイナーの服もよく着るの。高橋盾や山本耀司、あとNIGOとか。だから日本に行ったらショッピングするのが凄く楽しみ。原宿にも絶対行きたいし、いろいろ見てみたい。
エロイーズ:奈良美智に会えたら最高じゃない?
ベラ:あと村上隆も。
エロイーズ:日本のバンドも好きなのがたくさんある。The 5.6.7.8’s、ギターウルフ、少年ナイフとか。彼らを輩出した国に行けるってだけでワクワクする。
ルシア:普通に観光もしたいけど、時間がどれだけあるか分からないからな。
ミラ:絶対にやろうと決めてることが一つあるの。美味しいタピオカティーのお店を見つけて行くってこと!