リンダ・リンダズが語る音楽的ルーツと4人の成長、ブルーハーツと日本への想い

▶︎Column

①映画『モキシー』でマフスを奏でた意味

2021年に配信が開始されたNetflixオリジナル映画『モキシー ~私たちのムーブメント~』は、高校生のヴィヴィアンが学生生活で感じている不満や想いを綴ったZINE「モキシー」を制作すると、その歯に衣着せぬ内容が話題となり、大きな変化を生み出していくことになる……というフェミニズム青春映画だ。リンダ・リンダズは主人公達の決起集会に出演し、ビキニ・キルのアイコニックな名曲「Rebel Girl」と、マフスのとびきりポップな名曲「Big Mouth」を演奏。「わきまえない女」を描いた本作において、「アンタなんて大嫌い/好きな振りなんてするわけないじゃん」という歌詞から始まる「Big Mouth」は適材適所な選曲。主人公達よりさらに若いリンダ・リンダズは、まさに「これからの未来」を象徴する存在。マフスのリーダーだったキム・シャタックが2019年に逝去した今、そのポップネスはリンダ・リンダズに継承されたといえるだろう。




②LAパンクとリンダ・リンダズの関係

アリス・バッグ(Photo by Ruby Ray/Getty Images)

エロイーズが文中でお気に入りに挙げている映画『ザ・デクライン』(ローリングストーン誌が選ぶ史上最高のパンク・ムービー第1位!)は1980年前後のLAパンク・シーンを記録したドキュメンタリー。そこでシーンの「顔役」として登場するのがXだ。そして、Xとリハーサル・ルームをシェアし、シーンの「光」を体現して自作自演のガールズ・バンドとして初めて(そして現在に至るまで唯一の)全米アルバム・チャート1位を獲得したのがゴーゴーズ。アリス・バッグはLAパンクの伝説的なバンド、バッグスのリーダーで、『ザ・デクライン』にも出演している。LAパンクのアーティストのスタイルは多種多様だが、全体的にアメリカ西海岸のポップ・ミュージックの流れを汲んだ、人懐っこいポップネスがほのかに感じられるところが大まかな特徴として挙げられる。上記のアーティストから強い影響を受けたLA在住のリンダ・リンダズは、そんなシーンの末裔といえる存在だ。







ザ・リンダ・リンダズ
『Growing Up』
配信中
6月3日CD/LP発売
視聴・購入:https://silentlink.co.jp/growingup09

SUMMER SONIC 2022
8月20日(土)、21日(日)
千葉・ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ
大阪・舞洲SONIC PARK(舞洲スポーツアイランド)
※リンダ・リンダズは20日(東京)、21日(大阪)に出演
公式サイト:https://www.summersonic.com/

Translated by Yuriko Banno

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE