アンバー・ハード、ジョニー・デップを数回殴ったと反対尋問で明かす

米ワシントンポスト紙に意見記事を出した理由

デップの弁護士は、俳優のジェームズ・フランコが彼女のペントハウスを訪問するエレベーターの映像も提出した。法廷で陪審員に提示された監視カメラの映像には、2018年5月22日の午後11時直前にエレベーターに乗り込む2人の姿が映っていた。フランコを招いた時、デップが街を離れることを知っていたのかと尋ねられると、ハードはデップのスケジュールは知らなかったと否定した。

「ジェームズは友だちで、近所に住んでいました。正直あの時は、いつもの友達のサポートネットワークを使い果たして、友達ならいくらでも大歓迎という状態でした」とハートはのちに説明した。

ヴァスケス弁護士は今回の裁判の争点となっている2018年に掲載されたワシントンポスト紙の寄稿記事(名指しこそしないものの加害者がジョニーであると示唆したために仕事や評判を失ったとし、ジョニーが彼女を相手取り名誉棄損で訴えを起こした)に話題を移し、デップについて書いた記事だとハードに認めさせようとした。代わりにハードは、記事ではデップに特化したわけではなく――権力を持つ男性や性的暴行、当時もち切りだった#MeToo運動に関連する問題を書いたのだと述べた。

「彼のことではありません」と彼女は言った。「ジョニーのことではありません。(関係が終わった)後日、私の身に起きたことを書いたものです。当時私が書きたかったのもこういうことです」

さらに彼女はこう続けた。「あの当時、著名人や名前を知られている多くの男性が同じように非難されていたという背景をふまえてあの記事を書きました。ジョニーだけでなく、もっと全般的な現象を総体的に指していたのです」

ヴァスケス弁護士は、ハードの反論の根拠となっているデップの元弁護士アダム・ウォルドマン氏による3つの発言に話題を移し、これらの発言とキャリアに対する悪影響を関連付けることはできないと述べた。ハードはこれに異を唱え、L‘Orealとの契約打ち切りやドラマ『ザ・スタンド』宣伝活動の中止、『アクアマン』続編の役柄変更など、進行中だった複数のプロジェクトから降ろされたと述べた。

「記事がインターネットで注目されたせいで、誰からも起用されなくなりました」と彼女は言った。「(私に対する)中傷運動がが一斉に起きています。まるで白い目で見るように」

仕事を失ったのはウォルドマン氏の発言のせいかという質問には、「オファーされなかった仕事や、ゲットできなかった仕事を特定するのはちょっと難しいですね」と答えた。最新作『アクアマン2』で役を確保するために「戦った」ものの、「完成した作品で実際に」自分の出番がどのぐらいあるかはわからない、と言った。

この日はほとんどハードの反対尋問に費やされたが、その後ハードの弁護団が再尋問を終えた――もっとも、デップの弁護士はことごとく質問に異議を唱えた。ハードの弁護を務めるエレイン・ブレデホフト弁護士は最初の質問で、デップが裁判の間ずっと目を合わせない理由は何だと思うか、と尋ねた。

「有罪だからです」と彼女は答えた。「自分が嘘つきだとわかっているからです。なぜ彼は私の目を見ないのか? 私があの男の手から逃げ延びて、今ここにいるからです。私は彼と目を合わせられます」

デップはハードの証言中、笑みを漏らした。

最終陳述は5月27日の予定。評決が言い渡されるのは戦没将兵記念日の週末後になるとみられる。

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from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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