ジョニデ裁判で新たな証言 デップの浪費癖や偏執ぶり、気まぐれな言動が明らかに

元恋人の証言

1998年の映画『ラスベガスをやっつけろ』でデップと共演した女優のエレン・バーキンは、1994年ごろに数か月恋人関係だったと述べた。だが10年来の友情は突然幕を閉じたという。2019年11月の裁判でも証言したバーキンは、デップは「四六時中」酔っ払い、彼女の目の前で定期的にマリファナを吸ったりコカインを服用したりしていた、と証言した。『ラスベガスをやっつけろ』の撮影中、ホテルの客室でワインボトルを投げられたこともあったそうだ(ただし、彼女には当たらなかった)。

またバーキンは、デップが「嫉妬深く、支配欲が強い」ことに気づいた、とも証言した。「一度背中にひっかき傷をつけたことがありましたが、彼は烈火のごとく怒りだしました。誰かとセックスした時についた傷に違いない、と言い張ったんです」と彼女はいい、その「誰か」とは会ったこともなかったと言った。ひどい別れ方をした後、デップからは一度も連絡はないそうだ。

財政状況は散々で、仕事も失い、2016年春にハードが申請した接近禁止令で評判もがた落ちしたデップは、メディアで反撃を試みたが、結果はぼちぼちだった。当時弁護士を務めていたウォルドマン氏いわく、2人は好意的な記事を書いてもらおうとローリングストーン誌にアプローチした。

ところが記事で描かれたデップは、彼の欲望を満たし、彼の冗談に愛想笑いをする取り巻きや悪友に囲まれたロックスターの成れの果て、というものだった。2018年6月に掲載されたこの記事を、デップは「でっちあげだ」と非難した。

こうした逆境にも関わらず、デップがイギリスのタブロイド紙から「暴力男」のレッテルを張られて同紙を訴えた時も、ウォルドマン氏は弁護士の役目を果たし続けた。結局デップは敗訴(この時の証人の多くは、1回目の名誉毀損裁判でも証言した)。だがそれまでは、デップもウォルドマン氏を高く買っていた。ウォルドマン氏自身は2021年4月に個人情報規約違反でTwitterから追放されているが、当時はソーシャルメディア各社と組んでデップに好意的なユーザーを洗い出した。別のイギリスのタブロイド紙ザ・デイリー・メール紙とのインタビューでは、言葉巧みな家庭内暴力の「デマ」を仕組んだ張本人としてハードを非難した。

被告側の証人として証言台に立ったデータ研究者兼分析官のロン・シュネル氏は、デップ支持派とアンチ・ハードのハッシュタグが付いた数十万件のツイートを分析し、2020年から2021年にウォルドマン氏が使用した「デマ」という文言がデップ支持派のツイートにも度々見受けられた、と述べた。

1回目の名誉毀損裁判では、判事は2020年にウォルドマン氏をデップの弁護団から除外した。同紙が裁判の部外秘資料――デップとハードの激しいやりとりを収めた音声テープーーをマスコミに流したことが判明したためだ。

19日の審問後、ペニー・アズカレート判事は裁判の記事やニュースには目を通さないよう釘を刺して、陪審を週末の間帰宅させた。アズカレート判事はデップとハードにも「週末の間、ソーシャルメディアへの投稿は一切しないでください。公式声明も一切しないでください」と直接指示を出した。証言は5月23日より再開される予定。裁判はいよいよ最終週を迎え、その後陪審の審議が始まる。

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from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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