セントラルパーク・ジョガー事件の知られざる共同被告、有罪撤回へ 米

不当な有罪答弁

マンハッタン地方検事局冤罪班に勤務するテリ・S・ローゼンブラット氏はロペスさんの事件について、無実の罪で起訴された被告が有罪答弁を強要された一例だと述べた。「裁判での不当判決はよく話題になりますが、不当な有罪答弁もあるのです」とローゼンブラット氏。「虚偽の自供をする人についてはいろいろなことが分かっていますが、裁判で犯してもいない罪を認めてしまう人にも同じことが当てはまります」

ロペスさんと男性被害者を結びつける科学的証拠はなく、被害者の男性もロペスさんを犯人グループとは断定しなかった。科学捜査官はロペスさんの衣服からメイリさんの毛髪を発見したと主張したが、のちに最初の毛髪検査は信頼性に欠けていたと判断された。

残念ながら、刑事が記録したロペスさんの調書には、男性被害者が襲われた現場にいたという自供が記載されている。ロペスさんと彼の父親(英語が話せなかった)は調書に署名したが、ロペスさんはメイリさんのレイプ事件には関与していないと主張し続けた。レイプ裁判が始まる直前、ロペスさんは司法取引に応じ、第1級強盗罪で罪を認めた。

25日、法廷内のロペスさんは口を閉ざし、審理中ねぎらいの言葉をかけた判事に謝意を述べるにとどまったそうだ。ロペスさんの弁護人を務めたエリック・レンフロ氏は、依頼人はプライバシーの尊重を求めていると述べた。審理でレンフロ氏は「あなたの身に起きたことは深刻な不正行為であり、アメリカの悲劇だと思います……この国の司法制度がどれほどあなたを悲しませたかを見ると、本当に胸が痛みます」と発言した。

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from Rolling Stone US


Translated by Akiko Kato

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