ビヨンセ『RENAISSANCE』全曲解説 開放感に満ちたニューアルバム最速レビュー

 
6. BREAK MY SOUL|ブレイク・マイ・ソウル

既にご存じのようにビッグ・フリーディア、ザ・ドリーム、トリッキー・スチュワートらが参加したリードシングル。こうしてアルバム中で改めて聴くと、本作のエッセンスがギッシリ集約された一曲というのがよく分かる。ロビン・S「Show Me Love」の引用については、もはや説明するまでもないだろう。



7. CHURCH GIRL|チャーチ・ガール

ザ・ドリームとNo I.D.がプロデュースに参加。ジェームス・ブラウンがペンを執り、プロデュースも手掛けたリン・コリンズの「Think About It」も引用されている。その他、DJ Jimiによる「Where They At」なども使われている。バウンシーなゴスペル調R&Bという、本作の中ではかなり異色のスタイルと言えそう。


8. PLASTIC OFF THE SOFA|プラスティック・オフ・ザ・ソファ

微風のように歌われる、爽やかなソウルチューン。シンガーのシドやサブリナ・クラウディオらが共作で参加。前者がプロデュース、後者がバックヴォーカルも担当する。アルバム『4』の頃を彷彿とさせるリラックスしたムードに包まれ、生楽器の音色が瑞々しい。


9. VIRGO’S GROOVE|ヴァーゴーズ・グルーヴ

本作中、最長の6分以上に及ぶ、ファンキーなR&Bナンバー。乙女座のビヨンセが恋人をじっくり、たっぷり誘惑するという内容。シンガーのレヴィン・カリが曲作りとプロデュースで参加。こんなに自由に伸び伸びと歌うビヨンセは久々という気も。後半は、ほとんどフリースタイルのように舞い上がる。


10. MOVE feat. Grace Jones and Tems|ムーヴ feat. グレイス・ジョーンズ, Tems

クラブシーンの女王グレイス・ジョーンズが、まさかのクイーン・Bとコラボ。いや、クイーン対決と呼ぶべきか。ジャマイカ系のグレイスに加えて、ナイジェリア人シンガーのテムズ(Tems)がゲスト参加し、ナイジェリア系のP2Jがプロデュースを担当。野生的でプリミティブなビートが下半身を揺り動かす。


11. HEATED|ヒーティッド

ドレイクが曲作りに参加していると話題のハウスチューン。セヴン・トーマス、Boi-1da、ジャハーン・スウィートといったドレイクに近しいスタッフも多数関与。ドレイクは6月にリリースされた最新アルバム『Honestly, Neverrmind』で突然ハウスに振り切って驚かせたが、蓋を開ければビヨンセも同じ方向を向いていたとは。ゲイクラブで掛かれば、すぐさまクイーンたちが扇子を振り回して踊りそう。後半の歌詞に出てくるジョニー叔父さんも、どうやらゲイのよう。因みに夫ジェイ・Zの母親も数年前にレズビアンだとカミングアウトしている。LGBTQの人々は身近なところにも存在するのだ。

 
 
 
 

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