Elle Teresaが語る、海外で勝負するために意味のあること、意味のないこと

真剣勝負の現場で

—そう考えると「on my Side」のリリックとかかなりエモいですね。はしゃぐ二人の様子が目に浮かびますが、別れた後に書かれたものなんですよね。

この曲はロンドンで作ったんですよ。Elleが仕事でヨーロッパに行った時、なぜか、当時付き合ってた彼氏や友達もヨーロッパに来て。Elleはロンドンのスタジオでプロデューサーとセッションしてたんですけど、あまりフィールしなくて途中で抜け出して、彼氏が滞在してたスペインのバルセロナに行ったんです。なのにそこで大喧嘩して別れることになり、フランスのパリでこの曲が完成した。



—すごいグローバルな曲ですね(笑)。

そう(笑)。だからリリックの出だしが“Ex my boy Friendに/もうしたわさよなら”になるんです。

—ロンドンもそうだし、いろんな国で録ってるんですね。

「maybe love u」以外、プロデューサーも全員海外にいる人で。「bby girlll」はニューヨークだし。あとアトランタ、NY、LA、パリ、ロンドンかな。その場でビートを選んで、リリック書いてメロディも作った感じです。ただElle、英語が喋れないので、その点は何の使いものにもならないんですよ。



—前回のインタビューでも、英語できなくてもその場でなんとかするって言ってましたよね。

そう。そこだけはどうにもならないから、喋れる人に一緒にいてもらう。

—でもその場限りの真剣勝負ですからね。

そうですね。アトランタとか超ゲットーだし、みんなマジで勝負しにきてるから。ヘラヘラしてるやつとかいないし、できなかったらそれで終わり。普通にそういう世界だから、Elleも最初めっちゃビビってたけど、出身地とか肌の色とかじゃなく、自分のやってきたことが間違ってなかったなって思いました。ずっと地元の沼津で音楽を作っていて、たまにこれで大丈夫なのかなって思う時もあるんですよ。東京ではパーティがたくさんあって、都会で流行ってる曲というか、ここで作ってる音楽こそが最前線!って普通は思うじゃないですか。でも沼津の田舎にいたってそれ以上のことができるし、それをずっと続けてきて、海外のスタジオに行ってみたら「Elleなら間違いないよ」って言われて、間違ってなかったなと思った。ちゃんと自分の居場所で地に足をつけてやることに意味がある。ヒップホップはそういう音楽なんだって、海外行くと感じますね。

—Elleさんの声の響きもすごくいいと思いました。涼しげボイスというか。

ありがとうございます。このアルバムでは全体的に歌ってるっていうよりは喋ってる感覚。だから、そう言ってもらえるとうれしいです。

—Elleさんのラップのスタイルって、海外の人からはどういう風に言われるんですか?

まずキャラクターとして面白いって言われることが多いですね。アジア人でこんな感じでラップしてる子いないし、めっちゃオモロいみたいな。あと、めっちゃ可愛いし、みたいな。だよね!って(笑)。

—このアルバムで披露しているラップのスタイルから、今はもっと進化している。

Elle、曲作るのが大好きだから、いろんな曲を試してる。もっとポップなやつとか、もっとトラップ・ミュージック寄りのやつとか。ずっと自分のことヤバイって思ってたけど、今まであんまり気づいてもらえなくて。でも、最近ちょっとずつ言われるようになってきて、それはうれしいです。

Tag:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE