Elle Teresaが語る、海外で勝負するために意味のあること、意味のないこと

リル・キードの死

—でもそれだけ曲を作るのが好きってことが、大前提としてあるってことですね。

めっちゃ好きです。しかも年々自分のスキルも上がるじゃないですか。いろいろ思ったようにできるようになってくるから楽しい。

—この間、ディズニープラスでマシン・ガン・ケリーのドキュメンタリーを見たんですけど、ケリーが曲の細部やアートワークとかにまでこだわる人だからアルバム制作が滞る一方で、マネージメントは曲ができたら即座に出さなきゃ意味がないと言ってて、ファンが求めてるのは新曲なんだからと。

間違いない。

—世界を相手にショービジネスしようとすると、こちらの想像以上にペースが速いんだなと思って。

そうなんですよね。

—「Wifey(feat. Lil Keed)」で共演したリル・キードの悲報(曲の制作後、24歳の若さで急逝)はどう受け止めましたか?

最初はちょっとどう捉えていいのか分からなかったです。そんなに身近で死を感じたことがなかったし。逆にアメリカとかは死との距離が近いというか、誰かが亡くなるとインスタのストーリーにすぐにアップして、しばらくすると普通の生活に戻る。Elleは2日間しか会ってなかったけど、けっこう喰らっちゃって。しばらくキードの曲も聴けなかったし。マジでなんなのと思って、曲もリリースしていいものなのかなとか思ったし、人の死についてすごく考えました。USの音楽が大好きで、
自分のことだけを考えてElleはラップを始めて、キードはそのなかでもラッパーとしてすごく好きな一人だったから、Elleにとっては大きい存在なんです。でも亡くなってしまって、自分勝手にキードとの曲をリリースしていいものなのか、すごく悩んだ。

ーはい。

亡くなってからリリックを変えたんです。“あなたなんていなくて大丈夫だから”みたいな内容だったんですけど、そういう部分は全部書き直しました。キードにもそうだし、そういうリリックで出すのは、周りの人たちに対してリスペクトがないなと思ったので。もう誰も死なないでほしいってマジで思う。今回のリリースに対しても複雑な気持ち。みんなキードと共演できるなんて凄いことだよって言うけど、やっぱり悲しさの方が勝ってしまう。だってElleの1個下だから。

「Wifey  (Feat. Lil Keed)」


—アメリカは銃の問題もありますよね。

去年の終わりに、Elleのアメリカの友達が2人亡くなったんです。1人はエイサップ・モブのメンバーで、もう1人はLAのラッパーの子なんですけど、ODと銃で死んでしまって。あまりにもそういうことが多すぎて。なんでElleの周りにいるいい人たちばかり死んじゃうのって。でもキードとは1日しか一緒にいなかったけど、皆でボーリング行ったりして楽しかったな。

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