ザ・ストラッツが語る新境地、サマソニの達成感、日本でポスト・マローンと飲み明かした夜

影響源は元カノ? 新曲の制作背景

―ところで、サマーソニックのステージでは早速、サマーソニックの前日に配信リリースした新曲「Fallin’ With Me」も披露していましたが、新曲とは思えないくらい観客の反応も良かったですね。

ルーク:1カ月ぐらい前のUKツアーで初披露したんだけど、いきなり観客が♪Oh-oh-oh-oh-oh-oh-oh-ohってシンガロングしながら飛び跳ねたんだ。新曲でそこまですぐに観客と1つになれる曲はなかったから、ちょっとびっくりしたよ。

―でも、そうなることを狙っていたんですよね?

ルーク:もちろん、狙ってはいたけど、曲って出してみないとわからないところがあるからね。自分達では「これなら絶対、気に入ってもらえるぜ!」と思っても、それほどでもない時もある。

ゲシン:「People」のように思っていたほど盛り上がらなかった曲もあるからね(笑)。

ルーク:そう。何がその曲をマジカルなものにするのか、そればかりはわからないんだけど、「Fallin’ With Me」は予想を上回る反応だったんだ。2020年に『Strange Days』をリリースした時はコロナ禍のせいでツアーができなかったから、新曲を観客の前で演奏するってことがそもそも久しぶりだったから、うれしかったし、新鮮だったんだ。

ゲシン:やっぱり、新しい曲がセトリに加わるってうれしいよね。「Fallin’ With Me」は演奏していても楽しい曲だしね。

―アダムとジェドは、この曲のどんなところが気に入ってますか?

アダム:断然、リード・ギターのフレーズだね。俺が考えたんだ(笑)。あと、ルークの声のトーンも今までちょっと違っていておもしろいと思う。少しダークなサウンドも好きだな。

ジェド:これまでの曲と比べて、前を向いていると言うか、カッティングエッジな曲だと思うんだ。新境地を開拓したと言えるんじゃないかな。ストラッツはアンセミックな曲で知られているけど、「Fallin’ With Me」は安全牌を選ばずに、そうじゃないところに踏み込んでいった。「この次、ストラッツはどんな曲を作るんだろう⁉」ってファンに期待させると思うし、同時に新しいファン層も開拓できるんじゃないかな。



―たぶん、「Fallin’ With Me」は、新曲をたくさん作っている中の1曲だったんじゃないかと思うのですが。

ルーク:そう。2月ぐらいからナッシュビルで新しいアルバムのための曲作りをしているんだ。その中でできた曲だよ。コロナ禍になる前につきあっていた彼女のことを曲にしたんだ。彼女とはいつも(ロサンゼルスの)サンセット・ストリップにあるバー、レインボーで待ち合わせしていて(歌詞には“Meet at the rainbow 9:45”というフレーズがある)、その時の会話や、ちょっとしたジョークが歌詞のアイデアになっているんだけど、さっき言っていたアダムが考えた一風変わったリフを基にプロデューサーのジェイソン・デズジーオといろいろなことを試しているうちに、サビの♪fa-fa-fa-fa-fa-fa- fa-fa-fa-fa-fa-faというフレーズができて、そこからは一気に4~50分で曲が完成してしまった。歌詞だけ見ると、ラブソングに思えるけど、曲と1つになることで、それだけにとどまらないユニークなものになったという気はしている。ちょっとしたマジックが曲の中に封じ込められたんじゃないかな。

―その彼女とはもう別れちゃったんですか?

ルーク:ははは。残念ながらね。俺達のいろいろな曲のインスピレーションになっていることを考えると、ミューズのような存在だったんだと思う。感謝しているよ。

ジェド:この記事を彼女が読んでくれたらいいね(笑)。どれだけルークにとって大きな存在だったかがわかってもらえると思うんだ。

ゲシン:彼女側のストーリーも取材してもらったらおもしろいんじゃない?(笑)

Translated by Kyoko Maruyama

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