ザ・ストラッツが語る新境地、サマソニの達成感、日本でポスト・マローンと飲み明かした夜

日本に捧げた「スペシャル感」、新天地ナッシュビル

―そんな「Fallin’ With Me」をシングルとして配信リリースしようと考えたのは、やはりこれまでとはちょっと違うタイプの曲ということが大きかったんですか?

ルーク:そうだね。これまでストラッツに求められるのは、どうしてもちょっと懐古的なものだったんだけど、そのワンパターンに縛られたくなかったんだ。それで、みんなを不思議の国のアリスの兎の穴に誘うみたいに別世界に連れていって、そこに何があるのか一緒に見たいと思ったんだ。

―新しいアルバムのための曲作りでは、「Fallin’ With Me」以外にも新しいタイプの曲が生まれているんですか?

ルーク:もちろん! 俺達は聴く人の気持ちがアガるよう曲を作りたいんだ。ストラッツの音楽は、いい意味で逃避になっていると思うんだよ。どんなに最悪な気分だったとしても、俺達の音楽を聴けば、最高の気分になれる。常にそういう曲を作りたい。その気持ちは変わらないというか、プロダクションも含め、そういう要素をさらに高められるような曲を作りたいと思って、これまでよりも冒険している。いろいろな部分で、意識的にやったことがあって、たとえば今回、「Fallin’ With Me」を来日中にリリースしたのは、せっかく久しぶりに日本に戻ってきたんだから、スペシャル感を出したかったからだったんだ。これまでの3枚のアルバムと、これから出る4枚目のアルバムに何か違いがあるとしたら、そんなふうに意図や意識の下、しっかりとした狙いがあるってところかもしれない。その中核となるのが「Fallin’ With Me」なんだ。

―これまでよりも冒険しているとおっしゃっていましたが、みなさんが聴く音楽も変わりましたか?

ルーク:かなり変わったよ。フランツ・フェルディナンド、カイザー・チーフス、ハイヴスといった俺達がバンドを始めた13、4歳の頃、ラジオで成功していたバンドを改めて聴いているよ。ある意味、最後のUKロックの黄金期のバンドだよね。ハイヴスはスウェーデンのバンドだけどね。彼らからものすごい影響を受けたってわけじゃないけど、あれから15年ぐらい経った今、その良さを再認識しているんだ。もしかしたら、その影響がこれから作るアルバムには出るかもしれないね。

―ところで、「Fallin’ With Me」のビデオで、みなさんが演奏しているプール付きの家はどこなんですか?(笑)

ルーク:アダムとゲシンが住んでいる家だよ。でも、あれはオフィシャルのMVじゃないんだよ。オフィシャルのMVはこれから発表されるんだけど、俺達のビデオや映像コンテンツを作ってくれてるブライソン・ローチが「新しいカメラを試したいから」と言って、ワンカットで撮ってくれたんだ。

―ワンカットで撮影するためのリハーサルはかなり大変だったんじゃないですか?

ジェド:いや、ノリで撮ったようなものだから、全然そんなことはなかったよ。そんなにたいしたものにならないだろうと高を括ってたんだけど、出来上がりを見たら、すごく良かったから発表することにしたんだ。



―今回、ナッシュビルで曲作りをしているのは、ナッシュビルを拠点としているビッグ・マシン・レーベル・グループと今年3月に新たに契約したことと関係があるんですか?

ルーク:その通りだよ。この時代にインタースコープというロック・シーンを代表するレーベルから3枚もアルバムをリリースできたことを、俺達は誇りに思っている。途中で契約を切られたり、バンドが解散したり、なかなかそこまでできないと思うんだよ。でも、俺達はビッグ・マシンと手を組んで、新たな道を歩み始めた。ビッグ・マシンの設立者、スコット・ボーシェッタと俺達は目指すものが一緒なんだ。良い意味で、勝ちに行くと言うか、共に成功したいという野心を持っているというところで意気投合したんだよ。

―ビッグ・マシンと言うと、もう離れてしまいましたが、テイラー・スウィフトをはじめ、ポップスやカントリーのカラーが強いと思うのですが、そこは気にならなかったですか?

ジェド:俺達がビッグ・マシンで一番のロック・バンドになるよ(笑)。

アダム:でも、スタークローラーとか、ロック・バンドとも契約しはじめているんだ。

ルーク:バッド・フラワーとかね。新たな方向に力を入れ始はじめたんだ。そこで貢献できるんじゃないかと思っているよ。

―ナッシュビルはいかがですか? ロサンゼルスとはまた違う刺激もあるのではないですか。

ゲシン:ナッシュビルはクレイジーだよ! どのバーに行っても、みんなすごい演奏をしているんだからね。たまに圧倒されちゃうこともあるけど、その分、すごいインスピレーショになっているよ。

―新しいアルバム、楽しみに待っています。いつ頃リリースしたいと今の時点で考えていますか?

ルーク:できるだけ早く出したいよ。ただ、テイラー・ホーキンスの追悼コンサートにボーカリストとして出演させてもらうことになっているんだけど、それのリハーサルにけっこう時間を取られてしまいそうなんだ。本格的にアルバムの制作を始められるのは、それが終わってからになりそうだから、来年の春にはリリースできたらいいなと考えているんだけどね。




ザ・ストラッツ
「Fallin’ With Me」
配信リンク:

Translated by Kyoko Maruyama

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