アンダーワールド、美しい音と光に溢れたヒット曲連発の5年ぶり来日単独公演

また、セットの緩急のつけ方の見事で、中盤「Jumbo」から「Cups」でゆったりと踊らせながら、アンダーワールドのメロディアスな側面を強調していた。「Jumbo」のアウトロでカールとリックが熱い抱擁を交わしていたのも美しい光景だった。ライブ後半は激トランシーな「King of Snake」、初期の代表曲「Rez/Cowgirl」、「Dark Train」と畳みかけてフロアを休ませない。この辺りはライブ・ヴァージョンの名盤『Everything, Everything』(2000年)を彷彿させたし、何より、もはや60代のカール・ハイドのパフォーマーとしての20年前と変わらぬキレに驚嘆せずにはいられなかった。



フロアの熱が冷めないなかで、カールが「日本に来られて本当に嬉しいよ、食べ物は最高だし、食べ物は最高で……」と言って笑わせると、“あの”イントロが投下される。奇しくもその日は大阪の老舗ミニシアターであったテアトル梅田が閉館前の最終上映をおこなっており、そのうちの1本が『トレインスポティング』だった。同作がここ日本でも大ヒットしたことにより、その主題歌としてアンダーワールドの代名詞となった「Born Slippy NUXX」。もとはカールがアルコールに溺れていた時期の心境を反映したダークなテーマの曲だったが、永遠のアンセムとして幾多の夜をくぐり抜けてきたいまだからこそ、わたしたちが再び集まって踊ること自体を祝福するためのものとして鳴らされていた。たくさんの腕が掲げられ、美しい音と光が溢れる。日本のオーディエンスにとって久々の再会となったこの日のアンダーワールドは、変わらぬ輝きをまばゆく放っていたのだった。

written by 木津毅



<リリース情報>



アンダーワールド
『DRIFT SERIES 1 - SAMPLER EDITION [来日記念盤]』

発売日:2022年6月24日
レーベル:BEAT RECORDS / SMITH HYDE PRODUCTION
国内盤2CD(2枚組デラックス・エディション)ボーナスディスク追加収録
品番:BRC600AX
SPECIAL PRICE
価格:1500円(税抜)
国内盤2CD+Tシャツセット(ブラック)
品番:BRC600AXT
SPECIAL PRICE
価格:5500円(税抜)
国内盤1CD
品番:BRC600BX
SPECIAL PRICE
価格:1000円(税抜)
国内盤1CD+Tシャツセット(ホワイト)
品番:BRC600BXT
SPECIAL PRICE
価格:5000円(税抜)
【購入はこちら】
BEATINK.COM
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=12791
収録曲:
[DISC 1]
1. Appleshine
2. This Must Be Drum Street
3. Listen To Their No
4. Border Country
5. Mile Bush Pride
6. Schiphol Test
7. Brilliant Yes That Would Be
8. S T A R (Rebel Tech)
9. Imagine a Box
10. Custard Speedtalk
[DISC 2]
1. Low Between Zebras
2. Toluca Stars
3. Doris
4. A Moth At The Door
5. Dune
6. Hundred Weight Hammer
7. Do Breakers Trip
8. Molehill

Rolling Stone Japan 編集部

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