テイラー・ホーキンス追悼LA公演を総括 フー・ファイターズとレジェンドの濃密な6時間

 
有名ロックヒーローたちが続々と登場

ここで再びデイヴが登場。「テイラーのコアなファンなら知っているかもしれないけど、彼はジェームス・ギャングのキャップをいつもかぶっていて大ファンだった。ジョー・ウォルシュはテイラーのために、このイベントのために、15年ぶりにジェームス・ギャングを再結成してくれた」と紹介。そのジェームス・ギャングが「Funk #49」などを演奏するとき、デイヴがドラムを担当した。

続いてデイヴが「テイラーは世界中のミュージシャンと友達で、たくさんのサイド・プロジェクトをやっていたけど、この次のミュージシャンはその一人だ」と語ると、エイミー・ワインハウスやアデルを手がけたことで知られるマーク・ロンソンがステージに。テイラーが大好きだったジェリー・ラファティーの楽曲「Right Down The Line」をデイヴらと共にプレイする。


ジェームス・ギャング(Photo by Timothy Norris)


マーク・ロンソン(Photo by Timothy Norris)

クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのジョシュ・オム、レッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズ、デイヴ・グロールらによるスーパーグループ、ゼム・クルックド・ヴァルチャーズが数曲演奏したのち、エディ・ヴァン・ヘイレンの息子であるウルフギャング・ヴァン・ヘイレンが登場。ジャスティン・ホーキンスをボーカル、デイヴをドラムに迎えて、ヴァン・ヘイレンのヒット曲「Hot For Teacher」などでオーディエンスを沸かせた。


ゼム・クルックド・ヴァルチャーズ(Photo by Andreas Neumann)

「さすがにこれを超えるコラボはないだろう」と誰もが思っていたところに、デフ・レパードとフー・ファイターズがジョイントで「Rock Of Ages」をプレイして興奮の渦に巻き込むと、ポップス界の歌姫でテイラーと親交のあったマイリー・サイラスが登場して、デフ・レパードのヒット曲「Photograph」を熱唱。ちなみに、テイラーは亡くなる前、マイリーの携帯に「君はいつか“Photograph”を歌うべきだよ」というメッセージを残していたらしい。

さらに、モトリー・クルーのトミー・リー、ニッキー・シックスがフー・ファイターズのメンバーと「Home Sweet Home」を演奏するとスタジアム中が大合唱。その光景を見ながら、テイラーが垣根を越えてミュージシャンをつなげる力があったことを再認識させられた。その後、ザ・カーズのエリオット・イーストンがデイヴ、ジョシュ・オムらと「Shake It Up」を演奏したり、ハートのナンシー・ウィルソンがフー・ファイターズのメンバーやポップス界のアイコンでもあるP!NKと「Barracuda」を披露したのも印象的だった。


デフ・レパード+フー・ファイターズ+マイリー・サイラス(Photo by Danny Clinch)


ニッキー・シックス(Photo by Timothy Norris)


エリオット・イーストン(Photo by Timothy Norris)


ナンシー・ウィルソン+P!NK+フー・ファイターズ(Photo by Timothy Norris)

「今日は15人くらいドラマーが参加しているけど、テイラーはみんなと仲がよかった。中でも彼がもっとも影響を受けたのがスチュアート・コープランドだった」とデイヴが語ると、フー・ファイターズのメンバーとコープランドが、ポリスのヒット曲「Every Little Thing She Does Is Magic」などを披露。

テイラーがフー・ファイターズに加入する前、アラニス・モリセットのツアー・ドラマーとして活動していたのは周知の通りだが、アラニス、フー・ファイターズ、チャド・スミス(レッド・ホット・チリペッパーズ)という夢のような布陣で演奏された「You Oughta Know」も破壊力抜群だった。


スチュアート・コープランド(Photo by Timothy Norris)


アラニス・モリセット(Photo by Timothy Norris)


ラッシュのゲディー・リー(Photo by Danny Carey)

続けてデイヴが、「次の曲は俺たちのロックヒーローたちと演奏したい」と告げると、メタリカのラーズ・ウルリッヒ、ブラック・サバスのギーザー・バトラー、スキッド・ロウのセバスチャン・バッハという、これまた一昔前だったら考えられないような組み合わせで、ブラック・サバスの「Paranoid」などを演奏する。それからテイラーと親交の深かったコメディアン、ジャック・ブラックが登場し、「テイラーのライブを見るたびに彼のドラミングに衝撃を受けたけど、この会場で彼と一緒に最高のロック・バンド、ラッシュを見たのもいい思い出だよ」と語ると、ラッシュのメンバーが「2112: Overture」などを披露した。

 
 
 
 

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