「UKジャズはダンス・ミュージック」エズラ・コレクティヴが語るロンドン・シーンの本質

 
ゴリラズ、トニー・アレンとの交流

―ところで最近、あなたはゴリラズのバンドメンバーも務めていますよね。どういう経緯で参加することになったんですか?

フェミ:僕はフェラ・クティのドラマーだったトニー・アレンにドラムのレッスンを受けたことがあるんだ。彼が亡くなった時、トリビュートのプロジェクトを行うからデーモン・アルバーンと一緒にプレイしてもらえないかとオファーがきた。トニーとデーモンはかなり仲が良かったらしいから。その後、デーモンとは一緒にスタジオで卓球をしたり、カリブ料理を一緒に食べたりと、かなり仲良くなった。ある時、「僕のバンドに入らない?」ってデーモンが言ってくれた。最初は本心なのか分からなかった(笑)。2週間後に彼のマネージャーから「彼は本気で言ってるんだけど、ゴリラズに参加しない?」ってメールをもらい、参加することにしたんだ。








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―トニー・アレンからはどういったことを学んだのでしょうか?

フェミ:彼のドラムレッスンを受けるためにロンドンからパリにバスで通っていた時期があった。僕がドラムをプレイする様子を一通り見ると、彼は何一つ言わずに叩き始めた。それに今度は僕も合わせて叩く、そんなことをやっていた。彼からは「誰も君に取って代わるようなことは出来ないし、自分らしくあるべきだ。だからといって無理して自分らしくあろうとする必要もない」とずっと言い続けられたよ。改めて振り返っても、あのレッスンはとても重要なものだったと思う。レッスンの後は、彼にウイスキーを奢るのが恒例だったね。トニー・アレンはどんなライブでプレイしても常に彼のサウンドであり続けた。彼からは自分らしいサウンドを持っていれば、常に誰にも負けないということを教えてもらった気がするね。


フェミ・コレオソによる、トニー・アレン追悼パフォーマンス

―あなたと同じように、ジャズを学んできたロンドンのミュージシャンがUKシーンの最前線で活躍するようになり、その存在感はどんどん大きなものになっています。シーンや自分たちの変化については、どのように感じていますか?

フェミ:最大の変化はインディペンデントな部分が減ってきて、オーガニックかつ組織的にやっていくようになったこと。より多くのアーティストがレーベルとサインするようになり、レコードの売上を増やしたし、大きな会場でプレイするのも目にするようになってきた。僕らが始めた時はマネージメントもレーベル運営も全て自分たちでやらなければならなかった。昔はアルバムのリリース日に5枚か10枚のヴァイナルを売るのがやっとだったけど、今では何千枚を狙える状態にいる。かつてはインタビューしてくれるのなんて友達だけだったけど、今ではこうして日本のローリングストーン誌とインタビューをしている。それに様々なコラボレーションも可能になった。僕はエミリー・サンデーを聴いて育ったわけじゃないけど、現に彼女と仕事が出来ている。サンパなんてイギリスにいないけど、僕らを手伝ってくれた。今年から来年にかけて、もっと音楽の波が押し寄せることになるだろうし、UKジャズも再び戻ってくるはずだ。その結果、どこに辿り着けるんだろうって想像しながら、僕も興奮しているよ。



エズラ・コレクティヴ来日公演

2023年3月7日(火)ビルボードライブ東京
開場17:00 開演18:00 / 開場20:00 開演21:00
サービスエリア¥8,400-
カジュアルエリア¥7,900-(1ドリンク付)
詳細:http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=13903&shop=1

2023年3月9日(木)ビルボードライブ大阪
開場17:00 開演18:00 / 開場20:00 開演21:00
サービスエリア¥8,400-
カジュアルエリア¥7,900-(1ドリンク付)
詳細:http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=13904&shop=2



エズラ・コレクティヴ
『Where I’m Meant To Be』
発売中
詳細:http://bignothing.net/ezracollective.html

Translated by Tommy Molly

 
 
 
 

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