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2019年、フジロックでのパフォーマンス映像
―先日エズラ・コレクティヴにインタビューをしたとき、UKジャズにはダンス・ミュージックの要素がかなり入っていて、自分たちもそういう音楽に囲まれながら育ってきたと話していました。お二人はどうですか?
ダナログ: 10代の頃は、ドラムンベースがあった。誰かの兄が持っているカセットテープのパックをもらって、サウンドの推進力に感化されたのは覚えている。それに当時はダンス・ミュージックがチャートにランクインしていた。UKガラージの曲やアンダーワールドの「Born Slippy」が1位を獲ったりしていたからね。僕が中学校に上がった頃に「Born Slippy」がヒットして、ドッカンドッカンってラジオから聞こえてくるんだ。
ただその後、僕はクラブ・カルチャーから遠ざかった。レコードコレクションを聴いたり、演奏やレコーディングに思いきりハマっていったからね。でも、少し後になって、西海岸から流れてくるビートが大好きになった。Brainfeederのサムアイアム、ガスランプ・キラー、フライング・ロータス、サンダーキャット、モノポリーとか、西海岸のミュージシャンはみんな好きだったよ。クラブっぽいんだけど、聴いていて頭を使うし、サイケデリックで、第三の目を突き刺すような感じがする。あと、電子機材を使って非常にオーガニックなサウンドを作っているよね。ロボットのようでありながら、機材が有機体のように動いている。初めて聴いたとき、とてもエキサイティングだと思ったよ。
ベータマックス:初めて買ったレコードはオービタル。つまりテクノを聴いていたんだ。ドラムンベースの前にはジャングルも聞いていた。学校でもラジオやウォークマンでジャングルを聴いていたのを覚えているよ。エレクトロニック・ミュージックはトランス状態と呼ばれる精神状態や多幸感を生み出す。僕らが音楽の中で作り出そうとしているのは、まさにそういうものだと思うんだよね。
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2019年、フジロックでのパフォーマンス映像
―最後に、お2人から見たシャバカ・ハッチングスの魅力について聞かせてください。
ダナログ:シャバカと初めて一緒に演奏したとき、彼がどんな状況でも自在に演奏できることがよくわかったよ。彼はとても直感的な耳を持っていて、その時々に合った演奏ができる。技術的に優れたサックス奏者もいるけど、シャバカは他の奏者とは違う独自の個性を持っていて、曲を良い音にするために適切なタイミングで適切なものを演奏できる。例えば、ニューアルバムに収録されている「PYRAMIDS」。彼ならではの、この曲にはこれしかないというサックスだ。あのパートを思いつくのにどれくらい時間がかかったか? たったの1秒だ。僕たちの場合、サックスはほとんどオーバーダブをやらない。彼は象徴的なメロディラインをその場で全て思いつくだけじゃなくて、僕とマックスの演奏スタイルとも非常に相性がいいんだ。
ベータマックス:彼の演奏には説得力がある。演奏だけじゃない。彼と話していると、何でも納得してしまうから気をつけないといけない(笑)。彼がサックスを手にしたときは、彼が演奏している音楽が今起こり得る最高のものだと信じてしまうくらいだ。その要因は、彼の確信に満ちた演奏の仕方だと思う。「演奏において重要なのは信念」だというのは、僕自身も彼から学んだことだ。このバンドを結成する前から彼のプレイを見てきたけど、それがいつも彼を際立たせていた。そう、彼が演奏する音は疑う余地がなく、ただただ正しいものを演奏しているんだと信じ込ませるものがあるんだ。
コメット・イズ・カミング来日公演
2022年12月1日(木)東京・渋谷WWW
2022年12月2日(金)東京・渋谷WWW
2022年12月3日(土)大阪・LIVEHOUSE ANIMA
OPEN 18:00 START 19:00
スタンディング 前売り:¥7,500
詳細:https://smash-jpn.com/live/?id=3745
コメット・イズ・カミング
『Hyper-Dimensional Expansion Beam』
発売中Translated by Yuriko Banno
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